シチリア島:アグリジェント「神殿の谷」での決死行、そして駅では自業自得の大ピンチ(1歳&5歳:子連れイタリア旅 ♯50)

アグリジェント中央駅前広場の木が、イルミネーションでとってもきれいでした(^^)/

【これまでの旅程】
0日目:金曜日の午後9時30分、東北地方の自宅をマイカーで出発。車中泊。

1日目:成田空港からモスクワ経由でローマ着。深夜12時過ぎにホテルにチェックイン。

2日目:ホテルでほぼ徹夜した後、ローマ観光。テルミニ駅でスリに遭う。

3日目:午前2時45分全員起床。午前中はバチカン観光。午後、特急列車でナポリへ。

4日目:ナポリ観光。夜行フェリーでシチリア島・パレルモへ。

5日目:パレルモ観光。モンレアーレ大聖堂、パラティーナ礼拝堂、カテドラーレの3つの世界遺産を観光。夜、私が足をくじいてしまいました。

6日目(今日):朝5時30分起床。悩んだ挙句、捻挫した足を抱えてアグリジェント行きを決断。ホテルでの朝食を10分で済ませて路線バスでパレルモ駅へ。列車に乗ること2時間以上、午前11時にアグリジェント中央駅に到着。街歩きをして、ジェラートとヨーグルトを食べました。

街歩きの途中で見つけたイタリアンのお店で私の海外旅行史上最高のランチタイムを楽しんだ後、午後3時、路線バスで世界遺産「神殿の谷」に到着。午後5時、散策を終えゲートに行くと「ここからバスは出ない」との案内でした。

【17:05】ここは神殿の谷の東端。すぐそこにゲートがあり、行ってみると、ゲートの外には道路が通っていました。

ここから帰りのバスに乗れるのかな? アグリジェントの街は、どっちの方向だろう?

バスのチケットは往復分を来る時に買ってあるので大丈夫。

あれ・・・、バス停はないけれど、ゲートの前を通る道路はここだけ。バスは来るんだろうか・・・。

このままバスが来ないまま日が暮れてしまうと、施設は閉館、あたりは真っ暗闇、街もどっちの方向かわからず、取り返しのつかないことになる予感がします。

パパがゲートの係員に話しかけました。

パパ:ここから、アグリジェント行きのバスに乗れますか?

男性係員:ここにはバスは来ないよ バス乗り場はず~~~~~っと向こうのゲートだよ!

そう言って男性係員が指さしたのは、これまで私たちがひたすら1.5km歩いてきた、真っすぐの一本道。

えええっ!!

子どもたちはこれまで散々歩いていて、電池切れでもう歩けません。さらに私は左足を捻挫しているのです。

そして、日はもう半分暗くなっています。

【2017.1 子連れイタリア旅行:6日目その8】

決死行

【17:10】ヤバい、日が暮れる前に、バス停までたどり着かないといけません!

係員の男性も、「急いで!」とのジェスチャー。

それはわかるんですけれども・・・。

ここから1.5km、ここまでずっと元気だった次女も疲れ気味だったので、次女は私の抱っこ紐に入れて私が抱っこ、長女はそのままベビーカーでパパが押していくことにしました。

足を捻挫しているため早くは歩けませんが、左足を引きずりながら、何とかお年寄りレベルのスピードに持って行くことはできます。

よいしょ、よいしょ・・・。

止まらないことが大事だ・・・。

ここでまた焦って足をくじいたら、それこそ一歩も動けなくなります。

焦らず、同じリズムで・・・。

ここは、ヘラ神殿~コンコルディア神殿~ヘラクレス神殿~正面ゲート(今から思えば)を結ぶ、遺跡のメイン通り。幸い道は整備されていて歩きやすい(ベビーカーも余裕でOK)ルートでした。

もう閉館間近ということで、行き交う人も、皆帰り道。

私たちは若者たちに追い越されながらも、着実にバス停のあると思われる正面ゲート方向(この時は、あっちが「正面ゲート」だということも知らずに、ただただ東ゲートの係員が指さした方向に向かって歩いていただけでした)に向って歩き続けます。

途中、コンコルディア神殿を通り過ぎ・・・。

ヘラクレス神殿を左に眺め・・・。

歩いている間にも、どんどん暗さは増していきます。

遺跡内は街灯もないよ・・・(^^;

ただ、目が慣れて来ていて、これなら星明りだけでも歩けるかな!と思っていました。

【17:30】いよいよ暗くなってきた午後5時30分、ようやく正面に、正面ゲートらしきものが見えて来ました!

あれは、紛れもない、正面のゲート!

正面ゲート、初めて見た!

ここならバス停があるに違いありませんっ!!

パパがゲートの係員に確認します。

パパ:ここからアグリジェント行きのバスに乗れますか?

正面ゲートの係員:乗れますよ! バス停はそこです。今日はもう閉館ですよ~。

見ると、バス停は出てすぐ右側の所に見えていました。

あった、TUA社のバス停だぁ~!

係員の人の感じからして、「今日はもう最終バスが出てしまいました」というオチはなさそうでした(^^;。

【17:15】正面ゲート方向へ急ぎます。まだまだ道は遠い。
コンコルディア神殿の脇を通ります。
正面ゲートを出てすぐのバス停に到着!
写真だと結構明るいですが、すっかり日が暮れ、ほぼ夜になっていました。
私が左足を捻挫しながら歩いた3.6km全行程(緑色の矢印)。このマップの下半分が「神殿の谷」です。

バスが来たっ!

【17:35】すっかり暗くなりつつある中、バス停でバスを待つことわずか2~3分! 

バスがやってきました!

早っ!! ラッキ~!!

行き先はよくわかりませんが、ここから山を下って行くということは、アグリジェントのバスターミナル行きに違いありません!

チケットを運転手に見せて乗車(運転手さんが切符に切り込みを入れます)。運転手さんに「アグリジェント、OK?」と一応聞くと、OKの返事。

うれし~っ!

こんなに早く来るなんて・・・( ;∀;)。

バスがもうない可能性も考えていましたし、さらに椅子にも座れて、ホッとしました。

【17:45】帰りのバスは山を下ります。あっという間にアグリジェントの街に到着しました。

終点はバスターミナルだと思うのですが、今、アグリジェント駅の近くを走っていることに気が付きました。

私:パパ、ここ、アグリジェント駅のとこだわ。ここで降りよう!

パパ:え!? あ! ほんとだ! 降りるぞ~!

アグリジェント駅のバス停は、終点の1つ手前。うまく駅前でバスを降りることができました(^^)/

私たちの乗ったバスは「LINEA3/」のバスでした。
椅子にも座れて、ホッと一息。捻挫した足で3.6kmウォーキング、とにかく疲れました・・・(^^;
駅の近くのバス停で降車成功!

長女の回想

ちょうど、長女がベビーカーで置いてけぼりにされた時に脇を通った人(夫妻)が、同じバスの、通路を挟んで隣の席だったということで、長女がその西洋人夫妻とバイバイしていました。

そのご夫妻も長女に「チャオ!」と。

バスを降りると、ここで、初めて長女がベビーカーで置いてけぼりにされたときのできごとを話してくれました。

ベビーカーに座ってしくしく泣いていると(長女は静かに泣くタイプです)、数人が通りかかって、心配そうに様子を覗いていったこと。

その中に、さっきの西洋人夫妻もいたこと。

3分くらいして、アルゼンチン人のお姉さんたち3人が来たこと・・・。

そしてさらに3分くらいして、私たちが坂から下りてきたことなど。

駅前の広場の木にイルミネーションが施され、とってもきれいでした(^^)/

【17:55】駅の待合室に到着。

長女が、神殿の谷で置いてけぼりにされた時の話を詳しく教えてくれました。その時に近くを通った西洋人夫妻のことを覚えていて、同じバスの通路を挟んで隣の席だったということです。バスを降りるときに長女がバイバイしていました。
もうすっかり夜。駅に向かいます。
夜のアグリジェント中央駅。
寒いし、とりあえず駅の中に入ろう!
アグリジェント駅に戻って来ました!

ビールを求めてどこまでも

列車の時刻を確認すると、午後6時17分発。

次の列車は午後8時17分発。これが最終列車です。

実は日本で立てた計画では、これからレストランへ行って夕食を摂り、この最終列車でパレルモに帰るというものだったんですが、いろいろあって、私もパパもヘトヘト。これからまた坂を上ってアグリジェントの街に繰り出す元気はありません。

レストランはやめて、次の列車でパレルモのホテルに帰ろうか・・・。

そうしよう・・・。

午後6時17分発に乗るとすると、あと20分。レストランで食事をする時間はないけれど、ちょっと何かを買ってくる時間はあります。

パパが思いついたことと言えば・・・。

パパ:俺、ビール買ってくる! コンビニはないけれど、どこかの商店で売ってるだろう!

私:私たちは疲れたから駅で待ってるね~。

かくして、パパはビールを求めてアグリジェントの街に駆け出していきました。

【18:10】10分後。パパが戻って来ました。

私:早かったね。ビール買えた?

パパ:ダメだ・・・。どこにも売ってなかった・・・。小売店は少なくて、バール(飲み屋)ばっかり。おみやげ屋さんには、何店かビールないか聞いてみたりもしたんだけど・・・。

私:そっか~。仕方ないね。

パパ:ん! 待てよ! 駅のバールに売ってるかもしれない!

私:飲み屋だから、ビールは飲めるだろうけど販売はしていないんじゃ・・・。

パパ:俺、ちょっと聞いてくる!

パパは今度は駅併設のバールに行って5分。パパの片手には、夢にまで見たビール小瓶が1本!

どうも、勇気を振り絞ってカウンターで「ビールありますか?」「テイクアウト、OK?」って言ったら、買えたみたい。

そして、

マスター:イタリアーノ? インポーティッド?

パパ:イタリアーノ!

と言うやりとりをしたみたい。パパも英語ペラペラね!

瓶ビールなので栓がありますが、栓も抜いてもらい、飲みながら歩いてきました(^^)/。

1本1.7ユーロでした。

※お店の名前は「BAR STAZIONE」。この時のレシートに、なぜが日本の新幹線のイラストが描いてありました。

もう、パパもビール飲んでいい顔してます(こんな時ばっかり・・・)。

買う物は買えたみたいだし、列車に乗りますか!

駅に着くや否や、ビールを求めてパパが1人で街に出ていきます。
私「ビール買えた?」 パパ「10分間探し回ったけど、どこにもなかった・・・"(-“"-)"」
駅のエレベーターで早速ひと口飲んじゃうパパ(栓は購入時にバールで抜いてもらっています)

運命の自動販売機

【18:12】ホームへ。

午後6時17分発なので、発車5分前。

ホームへ行く途中に、自動販売機がありました。そういえばあったな・・・。コーラとかが売られています。

ここで長女が「コーラ飲みたい!」と。

そうね、2時間列車に乗るんだし、長女の飲み物もないとね(パパはビールがあるけど)。

缶のコーラを1本購入。

お金を入れると、「チャリーン!」

えっ、何か音がしたよ?

ひょっとして返却口からユーロのコインが出て来ちゃったかな?

返却口を見てもユーロのコインはありません。ひょっとして、機械の中に入った音かな?

どうも、欲しい商品の番号を押して注文する形式の自動販売機です。

ここは、まさか違う番号を押さないようにしないと・・・。

ここでいいのかな・・・。

適当にボタンを押してみると、みごとコーラの購入に成功!

やった! 長女は大喜び。早速その場で開けてあげて、飲み始めました。

隣に、コーヒーの自動販売機もありました。カップのやつです。

パパ:ママも、コーヒーでも飲む?

本格的な、おいしそうなコーヒーの自動販売機で、ボタンもたくさん! エスプレッソやらカプチーノ、モカ、いろんな種類がありました。

さすがイタリア!

帰りの列車の中で、熱いコーヒーを飲みたい・・・(パパがビールが大好きなのと同じくらい、私はコーヒーが大好きです。)

私:いいね~。じゃ、どれにしようかな・・・。じゃ、私はカプチーノにしようかな・・・・。

この時、実は、時計は午後6時16分を指していたのです。

※列車は午後6時17分発

※日本では、出発5分前のアナウンスとか、出発直前のベル(または音楽)がありますが、この駅では(そしてイタリアの他の駅でも)そういうものは一切ありませんでした

コーラ売ってるよ!
さっそくコーラを飲み始める長女。「おいし~~っ!」 ホームはこの先です。
本格的っぽいコーヒーの自販機。こんなの、日本以外にもあるんですね!

イタリア国鉄が時間に正確な次回に続きます。

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