世界の車窓から~シチリア島南北縦断鉄道の旅~(パレルモ→アグリジェント)(1歳&5歳:子連れイタリア旅 ♯44)
【これまでの旅程】
0日目:金曜日の午後9時30分、東北地方の自宅をマイカーで出発。車中泊。
1日目:成田空港からモスクワ経由でローマ着。深夜12時過ぎにホテルにチェックイン。
2日目:ホテルでほぼ徹夜した後、ローマ観光。テルミニ駅でスリに遭う。
3日目:午前2時45分全員起床。午前中はバチカン観光。午後、特急列車でナポリへ。
4日目:ナポリ観光。夜行フェリーでシチリア島・パレルモへ。
5日目:パレルモ観光。モンレアーレ大聖堂、パラティーナ礼拝堂、カテドラーレの3つの世界遺産を観光。私が足をくじいてしまいました。
6日目(今日):朝5時30分起床。悩んだ挙句、捻挫した足を抱えてアグリジェント行きを決断。路線バスでパレルモ駅までやって来て、切符を買い、列車に乗り込みました。
【8:38】定刻通りに、アグリジェント行き普通列車、出発!
シチリア島の鉄道って出発時刻とかいい加減だって聞いていたけれど、そうでもないみたい・・・。
電車に乗り込むと、子どもたちはすぐに椅子で遊び始めました。
【2017.1 子連れイタリア旅行:6日目その2】
ガラガラの普通列車
シチリア島南部のアグリジェントまでは、2時間ちょっとの電車旅です。
朝、私の足の捻挫を押してアグリジェントへ行くかどうか悩みに悩んだせいで時間がなく、ホテルのレストランでビニール袋にパンを詰めて10分で出てきた私たち。
列車の中は、朝ご飯タイムです。
ただ、これってそれなりに賭けの部分があって・・・。
これまで、電車内でご飯を食べたのは、ローマからナポリへ向かう特急列車の車内。
ただ、これは、指定席の特急列車の話。テーブルがあるのも、指定席を予約する時にイタリア国鉄のホームページで確認していました。だから、安心して車内でランチすることできました。
一方、今日乗るのは、普通列車。
朝8時38分発・・・。日本の地方都市だったら、まだまだ遅めの通勤客などで混み合う時間です。
列車がそんな状態では、とても朝ご飯なんか食べてはいられません。
大丈夫かな、と思って乗り込んだ列車でしたが・・・。
そんな心配は杞憂に終わりました。
この列車、ガラガラだったんです~~(^^)/
最初こそ、そこそこ乗客がいましたが、5駅も過ぎればガラガラに。
そして、ローカル路線なのに、車両もとってもきれい。ゆったり作ってあって、椅子とか、日本の普通列車よりも間違いなく快適です。
窓がきれい
【8:50】列車が空いてて良かった~~。
この車両にも、私達の他に10人いないくらいです(そして今後さらに減る)。
ゆったりした4人掛けの席には簡易なテーブルもあって、何とも余裕があります。これが普通列車の車両なんですから。イタリア人の皆さんは、きっとコーヒー片手におしゃべりしながら乗車するんでしょうね。
私たちは、周囲に人がいないことをいいことにやりたい放題。
ホテルの朝食会場で盗んできたもらってきたパンやチーズ、ハム、ヨーグルトを出して、のんびり朝ご飯です。
パンに、ハムやチーズを挟んで・・・。
おいし~~っ(^^)/
ちなみに長女は、朝食会場で目ざとく大好きなイチゴを発見、イチゴを6~7個食べて来ていました。
座ってれば景色は流れて行くし・・・。電車の旅、最高(^^)/
それにしてもこの列車・・・、
窓がきれい!
おかげで、外の景色がよく見えます!
ローマからナポリへ向かうときに乗った特急列車の窓がすごく汚くて、ほぼ外の景色は見えないくらいだったので、イタリアの列車はみんなあんなのかと・・・(^^;
次女の成長
1歳半の次女には、お茶を飲む時、こぼさないように「マグマグ」というストロー付き容器に入れて飲ませていました。
次女:ちゃっちゃ~~!(訳「お茶ちょうだい!」)
いつものようにマグマグを渡すと、手でマグマグを押し返す!!
次女:ん~~っ、ちゃっちゃ~~!(ペットボトルのお茶を指さして)
えっ、これで飲みたいの!? こぼさないかな・・・(^^;。
椅子に座らせ、初めてペットボトルのままお茶を渡します。
初めは私が手を添えて飲ませましたが・・・、次は1人で飲むと・・・。
飲ませてみると、ゆっくりゆっくり、上手に飲めました!
私:次女、すご~~い! ペットボトルで飲めたね!
長女:すごいねぇ~!
次女もみんなにほめられて、大喜び。
次女:へっへ~!
またペットボトルでお茶を飲んでみせてくれました(^^)/
しばらくすると、今度はペットボトルの蓋をくるくる回してキャップも自分でつけたいと。
キャップも、うまく自分でつけられました!
パパからの真剣な提案
【9:15】外には、きれいな山や、オリーブの木、大きなススキ、サボテンの木などが見えていました。
へぇ~っ、シチリア島ってサボテンが生えてるんだね~~。
朝食を食べ終わり、一息ついた所で、パパから、今日の遺跡観光についての提案がありました。
パパ:今日の観光なんだけど、いい捻挫対策があるよ。
私は昨晩激しく左足を捻挫して、実は痛みをこらえて歩くのがやっとの状況ですので・・・。
私:何?
パパ:ママ、ベビーカーに乗って行こう。
私:えっ!? 冗談でしょ? 重いし、(おしりが)入らないわよ!
パパ:入らないかもしれないけれど、入るかもしれない。やってみるんだ。
私:ええっ、ベビーカーなんて絶対無理。車いすならまだしも・・・。動かないって・・・。
パパ:動かないかどうか、試しにやってみよう。それしかないって!
私:ええっ、いやいやいや・・・。
パパ:最初からあきらめるんじゃなくて、一度やってみよう。ママがベビーカーに座って、次女を抱っこしたら、次女も歩かせなくていいし。俺、真剣に言ってるんだよ。
私:わかるけどさぁ・・・。恥ずかしいよ・・・。
ぱぱ:恥ずかしいなんて言ってられないだろう。自分の不注意で捻挫したんだから。明日のチェファルー観光もあるんだから、今日はベビーカーに乗るんだ。やってみて、ダメならあきらめるからさ。
私:え~~~~っっ・・・・。
パパは真剣でした。15分位はこの件で相談していたでしょうか。
結局、いったんはウンと言ったものの、その後私がかたくなに拒否したので、「私がベビーカーに座れるかどうか」という実験はしませんでした(^^;。
ベビーカーに乗れたところで、重さで壊しちゃうでしょうし・・・(^^;
電車が、もと来た線路を戻る!
ある駅に着き、再び列車が走り始めた時。
あれっ?? 来た方向に戻ってる!?
そうなんです、再び来た方向(パレルモ方面)に向かって走りだしたのです!
私:あれっ、パパ、列車が戻ってる!?
パパ:そうだねぇ。きっと、アグリジェント方向への線路が、こっち側からしか入れないのさ。だからスイッチバックして、折り返し運転みたいになるんだよ。
私:そういう線路もあるんだね~~。
パパ:山を登る線路なんかでそんな所もあるって聞いたことあるけれど、俺も乗るのは初めて。しかもここは平地だしね・・・。ま、イタリアだから(^^;
パパが解説してくれたので、安心しました。
またパレルモに戻るなんてことはないわよね・・・。
5分ほど走り、駅に着きました。
あれっ、この駅・・・!?
私:あれっ、この駅、さっきも止まったよね!!
パパ:えっ・・・、ほんとだ、さっき停まった駅だ!!
私:ってことは、駅1つ戻って来たってこと!?
パパ:そうみたいだ・・・。こんなこともあるんだね・・・。
私たちが列車の挙動をいぶかしがっていると、再び列車は発車。
何と、再び逆方向(つまり、最初来た時と同じ方向)に走り始めたのです!!!
これにはパパもびっくり。わざわざバックして戻ったのは、こっち方向からしか行けない分岐に入るためだと思っていたので・・・。
パパが進行方向を観察します。
パパ:今走っている方向から見て、左が海、右が山。アグリジェントは右の方向。大丈夫、この先に右に曲がる路線が見えるから、今度はそっちの方向に行くんだろう。
私:だったら、最初からその分岐の方に行けば早いのに!
パパ:恐らく、さっき停まった駅がこの辺の中心駅で、いったんそこに寄りたかったんだろう。そう思うしか・・・。
見ていると、無事、列車は分岐を右の方にそれ、山の方へと向かいました。
列車に乗って、同じ区間を行ったり来たり・・・。
新鮮な体験でした(^^;
列車探検
【10:00】パレルモを出発してからもうすぐ1時間半。
椅子に座って遊んでいるのに飽きてきた子どもたち、列車内を探検したいと言い出しました。
そうね、それもいいかもね~~!
列車の揺れに注意しながら、探検の始まりです!
探検してみると、やっぱりお客さんが少ない(^^; 各車両に5人ずつくらい。おかげで私たちは伸び伸びできますが・・・(^^;
途中、トイレに行ったり、窓が大きくてちょっと変わったシートがある車両があったのでそこで座って景色を見たり、写真を撮ったりしました。
ひとつ前の駅で降りそうになる
【10:49】定刻通り、アグリジェントに到着!
着いた~と思って外に出ると、駅員さんが何やら話しかけてきました。
ん。何だろう・・・??
駅員さん:ノーアグリジェント! ネクスト!(アグリジェントはココじゃないよ! 次の駅だよ!)
私たち:えっ! サンキュー!(あぶね~~~っ!)
駅名を確認すると、「アグリジェント・バッサ(Agrigento Bassa)」駅。危ない危ない、定刻通りだったし、アグリジェントと名前がついたから終点のアグリジェントかと思いました(^^;
駅員さんが機転を利かせて話しかけてくれなかったら、ヤバかったです~~(^^;
アグリジェントに到着!
【11:00】午前10時49分着の予定でしたが、10分ほど遅れて、午前11時に終点:アグリジェントに到着!
列車から見えた海がきれい~。
世界遺産の遺跡で有名な街です。
とってもいい天気。絶好の観光日和です。
来て良かった・・・。今朝、私と次女はパレルモに残るつもりになっていました。あの時長女が駄々をこねなければ、私はここまで来ていませんでした・・・。
長女、駄々をこねてくれてありがとう!!
私の足の具合はというと、小康状態!
昨日の痛みから言えば、歩き方に慣れてきたのもあり、ゆっくり歩く分には多少痛いくらいで、問題なさそう。
これなら、私がベビーカーに乗る実験をしなくても大丈夫かも!
まずはもうすぐお昼なので、アグリジェントの街を見て歩き、お昼ご飯を狙います。
パパと長女はごきげん。
だって、ローカル列車に乗って、シチリア島の南までやって来たんですから!
そして、神様がくれた、この天気!
アグリジェントの駅から出ると、パパと長女は地面に寝っ転がって写真を撮りだしました。
捻挫で諦めないで、ここまで来て本当に良かった! 私もテンションが上がります(^^)/
シチリア島の名産と言えば・・・、○○○です!
〇〇〇のジェラートに大感激の次回に続きます。
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ディスカッション
コメント一覧
aisu-seijinnさん こんにちは~
まさか足を挫かれるなんて aisu-seijinnさんさすが持ってますね!
いやこんなこと言うのはとても失礼だし想像できないくらい大変だったとは思います
こんなことない方が絶対良いのはわかっているんですが
読み手としてはとてもスリリングで楽しくグイグイ読んでしまいます
すいません(;^ω^))
ベビーカーの作戦は実行しなくて正解でしたね
たぶん座ったらすっぽりハマってもう二度と出れず
(それはそれで読み物としては面白いけど)
ベビーカーを解体して脱出する羽目になっていたことでしょう
あーでも 私の体系なら絶対そうだけどaisu-seijinnさんはどうなんだろう?
旦那さんが 「いけるっ」と思う程小柄なのかな
氷をフロントでもらってくる際の旦那さんのジェスチャー
目に浮かびました(笑)
真剣な事なのにフロントのお姉さん達 さぞ面白かったでしょうね~
私も読んでて笑っちゃいました
そして旦那さんお昼にビール多めに飲んでおいて良かったですよね
あれ飲んでないと夜どうしても飲みたくなっちゃってたかもしれないし(当社比)
やっぱり飲みたいときには飲んでおくのが大事だなと思いました
イタリアはほんとに食やお酒が美味しくて良い国です
しかもお値段もそんなに高くないし
食べること飲むことに素直に貪欲でいいなあと思います
だから作り手も美味しくないものを適当に作るなんてありえないんだろうなあと思います
スイーツだけは私も口に合いませんが
激苦エスプレッソと一緒に食べるからあれくらいが良いんでしょうかねえ
電車旅といえば
以前 私がシチリアで電車に乗った時は結構乗客がいて
ちょっと不良っぽい男の子たちとご高齢夫婦グループがみんなで楽しそうに話をしていて
そのうち同じ車両にいた女の子たちも話に混ざってきたので
「みんな仲間なのか どういう知り合いグループなんだろう」と思っていたら
どうやら皆さん知り合いでもなんでもなかったみたいで
てんでバラバラの駅でお互いたいして挨拶することもなく降りて行って
「えっ!? 知らない人同士??!」って驚いたのを覚えています
日本では有り得ないことですよね
最初はご高齢夫婦が男の子になにか注意するような感じで会話が始まったんですよ
イタリア人さすがです
だからもしかしたら バスの運ちゃんと話してたお客さんも実は初対面だったりして
なんて思いました
また長々とすいません
最後に質問ですが
降りる駅を間違えたけど駅員さんが違うことを教えてくれてましたよね?
あの時は 電車の停車時間が長かったのですか?それとも
電車を降りるときに切符を見せるシステムだったんでしょうか?
もしくはすごく小さい駅だったとか
普通に改札まで行ってたら気付いたとしても
もう電車は出発してしまっていたのでは と気になっています
コメントありがとうございます(^^)/
いやはやほんとうに、なぜか必ずトラブルに見舞われてしまって・・・。「持ってる」んですよね・・・(^^;
結果論ではありますが捻挫の方は無事快方に向かい、その後の旅行には重大な支障はなかったものの、あくまで結果論。
捻挫した一両日くらいはさまざまな可能性を検討して青くなっていました。
イタリア人っていい加減のようですけど、おいしいコーヒーを淹れることとおいしい食事を作ること(と、サッカーで勝つこと)に関しては命を懸けているくらいの気迫があるんじゃないかという気がしています。
お客さんの注文もその点だけは厳しそう。
イタリアでの食事、「外れ」はなかったですもんね。
駅を間違えた時の具体的な状況ですが、アグリジェントの一つ手前の駅で、「降りたとたんにホームにいた駅員さんが近づいてきて「ノーアグリジェント!」と叫んで教えてくれた」というものです。
多分、間違って降りる観光客が多発していて(しかも列車は2時間に1本)、駅員さんがホームに立って案内するということを(観光客が乗って来そうな時間の列車では)毎回しているように見えました。
確かに、よく考えてみるとすごい丁寧なサービスですよね。「持ってる」私でも、あの時は力を発揮できませんでした~(^^)/