外国で盗難(スリ)にあって、現地警察に届出してなくても、海外旅行保険の補償対象になる場合があります(小2&小6:子連れギリシャ旅 ♯3)

【ギリシャ:アテネ】2023年8月、地下鉄アクロポリ駅から地上に出てきたところ。3か月ぶりのアテネでした(この駅も、3か月前にも利用していました)。ただし、今回は、帰り道で大事件が勃発しました。

子連れクロアチア+5か国周遊旅行記の途中ですが、今回は海外旅行保険についての話題です。

【2023.8 子連れギリシャ旅:番外編その3】

ギリシャに着いた初日に、パパがスマホを紛失

現在書いているクロアチア旅行記は、今年のGW(4月末~5月)の旅行の話。

その後、今年の8月に、夏休みを利用してギリシャ周遊旅行に行きました。

その時、着いた早々、ギリシャのアテネでパパがスマホをなくすという大事件がありました。

11日間の旅行の、わずか2日目の大ハプニング。

ちょっと、立ち止まって考えてみてください。

子ども2人連れて、ギリシャに来ました。

ギリシャでは、アテネを起点に、国内線でサントリーニ島、ロードス島をまわり、ギリシャ本土に戻ってアテネ、メテオラと観光する、10泊11日間の個人旅行です。

旅程管理はパパが行っていますので、利用する全ての航空会社のアプリ、全てのホテルの予約アプリ、ギリシャ国鉄のアプリ、事前にメールで送られてきた現地旅行会社主催の各種日帰りツアーのバウチャーなど、全てを保存しているスマホです。

それを、ギリシャに着いた初日に紛失したのです。

どこにもないのです。

もちろんアプリは私のスマホにも念のためダウンロードしてあり、チケット類は30枚以上全て紙でプリントアウトの上夫婦で1部ずつ所持して出かけていましたが、メインのスマホを失ったのは、非常に動揺しました。

万一、私のスマホにまで何か事故(遺失、盗難、水没、故障、電池切れ)があれば、たとえチケット類は紙で所持しているとしても、危機的状況に陥ってしまいかねないということです。

結局、最後までスマホは出てこないまま、日本に帰国しました。

アテネ空港から、地下鉄に乗って1時間、アクロポリ駅に到着! 着いた時は元気いっぱいでした。

スマホをなくした場所

パパがスマホがないのに気が付いたのは、地下鉄の車内でした。

私たちは、シンガポール経由で午前中にアテネ到着後、同日夜の飛行機でサントリーニ島に移動するプランで、飛行機の乗り継ぎ時間を利用して、アテネを半日観光しました。

アテネ空港に到着、空港から地下鉄でアテネ市内に移動、3か月前に訪れたのと同じヨーグルト屋さんでギリシャヨーグルトを食べ、パルテノン神殿の隣のアクロポリス博物館を見学し、近くのレストランで食事をし、その後、再び空港に戻る地下鉄に乗りますが・・・。

<アテネ空港に戻る地下鉄の車内で>

パパ:あれっ、あれっ・・・。

私:どうしたの!?

パパ:スマホがない!! どこにもない!!!

服のポケットにも、カバンの中にも、どこにもスマホがありません。

パパ:さっきのレストランに忘れたんだ!!!

幸い飛行機までまだ少し余裕がありましたので、逆方向の地下鉄に乗ってレストランに引き返して確認しましたが、レストランにはなくて・・・。

さすがに飛行機の時間が迫っていたため、再び地下鉄に乗って空港に向かいました。

パパ:きっと、さっき乗った地下鉄の車内で落としたんだ・・・"(-“"-)"。

実はパパ、さっき乗っていた地下鉄で、私たち女3人組を座らせて1人スーツケースを足で支えながら立って乗っていたんですが、カーブでスーツケースが動き、それを止めようとして車内で転倒したことがありました。

きっと転んだ時に、車内にスマホを落としてしまったんだ・・・。

その結論に達し、その後、移動先のサントリーニ島からアテネの地下鉄運営会社にメールで落とし物の問い合わせをしたり、一向に返事が来ないのでその次の滞在先のロードス島のホテルの方に頼んでギリシャ語で電話で問い合わせしてもらったりしたんですが、返答は「そのような落し物は出て来ていない」とのこと。

もう出てこないとあきらめ、ギリシャから日本の携帯電話会社に連絡して、利用の一時差し止め(この時は、「一時利用停止」という制度があることを知らずに、利用停止しようと思って電話したら、「一時利用停止」ということができると知って、そうしました)。

もともとコロナ前まではスマホを使わずに旅行していた私たち。いくつかの困難に遭いながら、旅行のほうは無事に終了しました。

タクシー詐欺に2回遭い、ビデオカメラ破損、飛行機でスーツケースが壊れ、私も足をケガして、これで「無事に終了」との表現が適切なのかはばかられる状況ではありましたが・・・(^^;

アクロポリス博物館(美術館)に到着! 新しく、美しく、見どころたっぷりの博物館でした。

パパのスマホは、地下鉄駅で盗まれていた

帰国後、重大な事実が判明しました。

「地下鉄の車内に落とした」と結論付けて対応していたパパのスマホですが、実は、「地下鉄の駅で盗まれていた」ことが判明しました。

パパはスマホをズボンのポケットに入れていたんですが、スリにスられていたんですね。

どうしてわかったのかというと、Googleのスマホ追跡サービス。

これは、位置情報を「常に通知する」設定にしておくことで、Googleアカウントにログインすればスマホの移動軌跡がわかるというスグレモノ。

パパはこの設定を常時ONにしていたのですが、旅行先でGoogleアカウントのパスワードがわからず、ギリシャではこの追跡機能を使えませんでした。

家に帰ってきたその日にGoogleアカウントにログインし、スマホをなくした日のスマホの移動軌跡を見てビックリ。

私たちは、レストランで食事後、すぐ近くの地下鉄アクロポリ駅から地下鉄に乗り、アテネ空港へと向かいましたが・・・。

パパのスマホは、空港には向かっておらず、同日中に全く別方向の場所(アテネ中央市場)に移動し、それ以来一切の発信が途絶えていたことがわかったのです。

アテネ中央市場なんて、私たち行ったことない・・・。

あぁ・・・、地下鉄の駅で盗られて、恐らくすぐに中古品として売られたんだ・・・。

そう言えばパパには心当たりがあって、地下鉄駅で、男性が結構な勢いで後ろからパパにぶつかってきたことがあったそうです。

その男性は無言で立ち去って行ったとのこと。

今思えば明らかに不自然な衝突でしたが、その時まさかズボンのポケットの中のスマホをスられたとは思い至らず・・・。

しばらくしてから地下鉄の車内で、スマホがないことに気付いたというのが真実でした。

アテネ市内から空港への地下鉄ルート。1時間以上かかります。
パパのスマホは空港へ向かわず、私たちが行っていない「アテネ中央市場」に一直線! その後、一切の通信が途絶えていました。スリ犯から盗難品を買い取るアンダーな店があるのでしょう(私の推測)。
私たちの軌跡。美術館→レストラン→アクロポリ駅に向かい、駅でスリに遭いました。
地下鉄に乗る前、レストランでは確かにパパのスマホはありました。
パパのスマホをあきらめ、アテネ空港でサントリーニ島行きライアンエアー便にチェックイン。実はこの時も危機一髪で・・・。いつかブログで紹介したいと思います。

海外旅行保険の携行品損害、盗難の場合は現地警察へ盗難届が必要

我が家は、海外旅行の時は必ず海外旅行保険に加入します。

クレジットカード付帯の海外旅行保険も存在し、そちらのほうがお金がかからずお得だとは思うのですが、多くはクレジットカードを持つ本人だけが補償対象(※)。

※年会費のかかるゴールドカードでは家族も対象になるものもあるようですよね。うちの旅行は現状年2回ペースなので、そっちに乗り換えた方がいいのかもしれません。その辺はまだ勉強不足です。

海外旅行保険は掛け金だけ払って保険金請求なんてしたことないという方も多いと思いますが、うちは、旅行中に子どもが病院にかかったり(北欧旅行)、スーツケースが壊れたり(クロアチア旅行)、ビデオカメラを壊したり(オーストラリア旅行)して、これまで何度か保険金請求をしたことがあります。

今回のスマホ紛失事件ですが、盗難(現地警察に被害届が必要)や破損(破損した現物が必要)は海外旅行保険の携行品保障の対象になる一方、本人の不注意による遺失は保険の対象外

今回は、旅行中はずっと「地下鉄車内に落とした(=遺失)」と思っていたため、ギリシャで警察に盗難届を出すという発想はありませんでした(海外旅行保険の適用はあきらめていました)。

ただ、私たちのように、旅行中は遺失だと思っていたのに、帰国後に盗難だったと判明する場合もあるのではないか。

状況証拠を複数提出する中で、現地で盗難届を出していなくても、保険会社から「盗難」と認めてもらえる場合もあるのではないか。

実際に盗難だったわけですし・・・。

そう思い至りました。

パパが保険会社に電話してみると、現地警察発行の証明書が原則必要だけれど、盗難と判断できること&盗難届が出せなかった理由がわかれば、盗難届がなくとも保険金請求に応じる場合もあります、とのこと。

私たちには、遺失だと思って鉄道会社に送ったメールや、ホテルの人から鉄道会社にギリシャ語で電話してもらった時の英文の依頼文やホテルの人からの報告メモ、ギリシャから連絡しての使用一時停止、帰国後ただちに正式利用停止を行い機種変更した際の証拠書類や新しいスマホを購入した領収書などを持っていました。

そして、Google位置情報追跡サービスの結果画面も。

私たちの実際の移動履歴は、写真撮影日時で証明できそうだ・・・。

そして、その日の夜の便でサントリーニ島に移動した航空券の半券。

私たちがレストランを出て、アテネ中央市場に寄ってから空港に向かっていないことを証明することはできませんが(「寄っていないことの証明、は非常に難しい」)、私たちが地下鉄内での遺失だと認識して真剣に対応したことは証明できます。

これは、チャレンジしてみる価値あり!

そう思って、真剣に資料作成すること数日・・・。

渾身の資料を保険会社に送付。ドキドキして連絡を待っていると・・・。

結果、現地警察に盗難届は出していませんでしたが盗難と認めてもらえて、パパのスマホ購入代金(35,000円)から減価償却分(15,000円)を引いた、約20,000円を保険金としてお支払いいただけました!

パルテノン神殿が見える場所で。パルテノン神殿は3か月前に行きましたので、今回は行きませんでした。

「盗難」を証明する資料

私たちは、今回、「現地警察に盗難届を出していないにもかかわらず保険会社から盗難と認めてもらえた」わけですが、同じような目に遭った方のために、私たちが用意した資料のリストを紹介します。

<盗難届を出さずに盗難と認めてもらうための資料(一例)>

・警察に届け出ができなかった(しなかった)理由の説明書(いつ、どこで、どのように動いて、どう対応したかの時系列一覧も。スマホ盗難の前後から帰国まで)。それに、関連資料1~9を添付しました。

・資料1:アクロポリ駅からアテネ空港までの地下鉄路線図および所要時間がわかる書類(私たちが地下鉄で向かった方向と、盗難後にパパのスマホの移動した方向がまるで違うことを示すため)

・資料2:google位置情報追跡サービスの検索結果画面

・資料3:レストランでの食事、地下鉄乗車、アテネ空港到着時のそれぞれの写真と、それぞれの撮影日時がわかるプロパティ画面のコピー(理由説明書の時系列が嘘でないことを証明するため)

・資料4:同日、アテネ空港からサントリーニ島へ移動した際に乗った飛行機の航空券半券(私たちは確かにその時間にサントリーニ島行きの飛行機に乗ったということの証明)

・資料5:アテネの鉄道会社に送った遺失物問い合わせメール

・資料6:ホテルのスタッフにギリシャ語で鉄道会社に電話照会を依頼した時の手書き依頼文(英語)

・資料7:ホテルのスタッフが鉄道会社に電話をしてくれた結果メモ(英語)

・資料8:ギリシャから行った、利用一時停止連絡の履歴

・資料9:帰国直後に端末の利用停止と機種変更を行ったことが分かる書類、新しく買ったスマホの領収書

警察に届け出ができなかった(しなかった)理由の説明書。今回の盗難被害に関係した行動を時系列にまとめながら、帰国後に盗難だと判明した経緯と根拠を説明しました。

以上の資料を揃えることで、保険会社から「これは盗難である」と認めてもらえました。

ちなみに、利用した保険会社の名前は控えさせていただきます。

保険会社によって対応は違うでしょうし、たとえ同じ保険会社でも、証拠や状況の微妙な差、被害金額の差で、認められないこともあるようにも思いますから・・・。

今回、パパのスマホが新品でも本体価格35,000円という安い機種だったので、保険会社が被害を認める際のハードルが、それほど高くなかったような気もしています。

これが例えば、15万円する最新型の高性能スマホだったら、同じ結論にならない場合もあるのではと・・・。

アクロポリス博物館にて。スマホなんてほとんど無防備でした。どうせ画面割れてるし・・・(スリはそんなこと知りません)。

今どき、スリが狙うのは、スマホだ!!!

今回、スマホを盗難にあって、改めて認識したことがあります。

それが、コレ。

スリは、スマホを狙っている!!!

そんなの当たり前じゃないかという声も聞こえて来そうですが・・・。

私もパパも、これまで、スリが狙っているのはまず財布だと思い込み、現金を分散所持したり、財布を厳重にしまったり、ダミーの財布を持ち歩いたり、クレジットカードを複数枚所持したり、思いつく注意はしてきたつもりでした。

でも、スマホは、無防備そのもの。

チャック付きのポケットに入れただけ。

だって、私たちのスマホ、安物ですもの。

私なんて画面割れたスマホ使ってますし。

そんなもの、誰も盗まないわよ・・・。

そう思っていたのです。

ただ、よくよく考えてみれば、巷には1台10万円とか15万円以上する最新型のスマホを使っている人があふれています。

そんなスマホ1台盗めれば・・・。

新品時の半額で買い取ってもらうとしても、5万円とか7万円とかの「利益」。

最新型キズなしとなれば、10万円以上の値がつく機種もたくさんあるでしょう。

一方、カード支払い前提のヨーロッパで、今どき財布の中にキャッシュを5万円とか10万円入れて歩いている人は珍しい

ヨーロッパで仕事するスリにとって、財布とスマホのどちらを狙うのが賢いかは、もう明らかですよね。

そして、スられた方のダメージが多いのも、スマホのほうなのではないでしょうか。

ダミー財布なら、入れていた当座の現金は失いますが、クレジットカードの利用停止をすれば被害は限定的です(もちろん何もかもその財布に入れていた場合は深刻な状況になりますが)。

クレジットカードの予備は当然もう何枚か持ってきているでしょうし、現金の分散所持もしていますよね。

ただ、スマホとなりますと・・・。

予備のスマホを持ち歩く人は少数でしょうし、スマホを失ったとたんに旅行を継続できない状態になってしまう人もいるような気がして・・・(私たちはもともとアナログ派で、必要なものは全て紙印刷して所持していましたので、即危機的状況に陥ることは防げましたが)。

私たち、遅ればせながら、ようやく、スマホの盗難対策の重要性に気が付いた次第です。

首から下げようか・・・。

その辺はこれから考えるんですけど(^^;

地下鉄アクロポリ駅前の通り。パパは地下鉄のホームの入口でスリに遭いました。きっと、帰り道、私たちはスリ犯にマークされて、しばらく後をつけられていたのでしょう。

次回、クロアチア+5か国周遊旅行記の続きに戻ります。

クロアチアのドゥブロヴニクで、世界遺産:ロヴリイェナツ要塞を見学した後、私たちは再びドゥブロヴニク旧市街へと入り、○×博物館へ・・・。

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