エストニア:タリンで一家4人、救急車で病院に運ばれる(現在地不明、地図もなし)(1歳&4歳:子連れスウェーデン・フィンランド・エストニア旅 ♯59)

次女の発熱は40.4度。おむつを脱がせ、この態勢で救急車に乗って病院へ向かいました。

【これまでの旅程】
1日目:羽田から北京経由でスウェーデンのストックホルムへ

2日目:ストックホルム市内観光。その後、夜行フェリーでフィンランドのトゥルクへ

3日目:ムーミンワールドとトゥルク市内観光

4日目:トゥルクから特急列車でヘルシンキへ。午後はヘルシンキ市内観光

5日目:ヘルシンキ市内観光。世界遺産:スオメンリナ要塞島など。

6日目(今日):深夜、次女が39.2度の発熱。朝4時に起きて、朝イチのフェリーでヘルシンキからエストニア:タリンへ。

午前10時頃ホテルに着いた時点での次女の熱は39.8度。ロビーで2時間休憩後、パパと長女だけでサッとタリン観光してランチ。次女の熱は40.4度まで上がり、救急車を依頼しました。

【16:40】ホテルのフロントの女性の勧めもあり、救急車を呼んでもらいました。

【2016.7 子連れ北欧旅行:6日目その7】

救急車がなかなか来ない

救急車は10分ほどで到着予定だということなので、救急車で病院に向かう準備をします。

軽く荷物をまとめる程度ですが・・・。緊急入院になったら、荷物をホテルまで取りに来たり、場合によっては買いに行ったりしなくてはいけないな・・・。

これから救急車で病院に向かう旨を、4歳(年少組)の長女に説明。長女も事態の深刻さを感じて、静かにしています。

10分経過。

15分経過・・・。

到着予定を5分超過しましたが、救急車が現れません。

パパは申し訳ないと思いつつも、再度フロントの女性の元へ。

パパ:救急車が来ません・・・。

フロントの女性も、さっきから心配そうに見てくれていました。

フロントの女性:おかしいですよね。もう一度確認してみます。

そう言うと、救急の電話番号に電話。何やらエストニア語で会話しています。

フロントの女性:交通渋滞にはまって、救急車が遅れているそうです。もう間もなく着くそうです。

パパ:すみません、ありがとうございます!!

待つこと5分。遠くから、サイレンの音が!

エストニアの救急車が来てくれたのです!

私たちはホテルの外へ。

<パ~プ~パ~プ~>

やってくる救急車は、日本のそれとあまり変わらない、ハイテク車両に見えました。

救急車で応急措置を受ける

【17:00】救急車がホテルの玄関前に到着。

女性の隊員さんが降りてきて、一緒に待ってくれていたホテルのフロントの女性とエストニア語で会話します。

1歳2か月の次女の熱が40度以上あること、私たちが日本人であること、海外旅行保険に入っていること、今日の午前中からずっとその状況であることなどを説明してくれているのだと思います。

隊員(恐らく日本で言う所の救急救命士か看護師)の女性は、英語で話してくれました。

隊員の女性:赤ちゃんをここに寝せて、おむつを脱がせてください!

私:わかりました!

早速おむつを脱がせます。

隊員の女性:高熱が出ているので、おむつを脱がして熱を逃します。病院まで、このまま行きます。

私:わかりました!

そう言いながら次女の熱を測ります。

隊員の女性:熱は・・・40.4度ね。熱が高いから、今すぐここで解熱剤投与!

私:(やっぱり40.4度だった・・・。何かの間違いじゃなかった・・・"(-“"-)"。)

テキパキと、同乗の若い男性隊員に解熱剤の準備を指示。

隊員の女性:熱が高いので、強めの解熱剤で熱を下げます。すぐに熱は下がってくるはずよ。

私たちは英語が話せませんが、女性隊員が言っていることは理解できました。

座薬を、次女のおしりに投与します。

さて・・・、ここで初めて救急車に乗り込みます。

ロビーで泣いていた長女

【17:15】救急車で熱を測ったり座薬を投与したり、説明を受けたり病院に連絡したりしているうちに、あっという間に15分が経過しました。

無我夢中でしたが、そう言えば、長女をホテルのロビーに待たせています。

パパが長女を迎えに行くと・・・、長女はフロントのお姉さんに抱きつきながら、泣いていました。

きっと、パパもママも救急車の方に行ってしまって、何やらさかんにやり取りしていて、ひょっとしたらこのまま自分を置いて救急車で行ってしまうんじゃないかと思ったみたいです。

ごめんね~~( ;∀;)

幸い、救急車には家族4人で乗車できました。

私は次女を抱っこして大きなリクライニングの患者席へ。

パパと長女は、付添人用の小さい椅子に。

ベビーカーも救急車の中へ

そして、救急車は発車。

サイレンを鳴らしながら、世界遺産:タリン旧市街を横目に、安全運転で進みます。

<パ~プ~パ~プ~>

私の予想はいい方に外れた

【17:20】救急車が走り始めて、ようやく周りが見えてきました。

まず、私の予想はいい方に外れ、エストニアの救急車及び救急チームは素晴らしいということ。

主任と思しき女性隊員の、テキパキとした動きと指示。

設備の揃った救急車。

快適な安全運転。

どれもこれも、旧ソ連の救急車って大丈夫かと心配していた私がバカみたい・・・(^^;。これなら、病院の医療もきちんとしているに違いありません。

そう私を安心させるほど、クルーの皆さんの動きはテキパキしていたのです。

それにしても、次女はおむつをしていません。今次女がおしっこしたら、私のズボンがびしょびしょです(^^;

ズボンの着替えは持ってこなかった(ホテルにある)ので、それはちょっと心配になりました(^^;

救急車に乗っている間、私たちのこれまでの旅行行程(今朝、フィンランドから渡ってきたこと)などを女性隊員にたどたどしい英語で説明しました。

男性隊員の超ビックリ発言

走り出して5分ほど経った時。

それまでエストニア語で女性隊員とやりとりしながら動いていた男性隊員が、私たちに向かって初めて口を開きました。

20代前半くらいの、イケメン救急救命士です。

イケメン救急救命士:【日本語】私の名前は、アレキサンドル(仮名)です。

何と、日本語を話しだしたのです!

ええ~~っ!!

どうして日本語!?

救急車に乗っている救急救命士がいきなり日本語話したので、ものすごくびっくりしました! エストニア語で自己紹介できる日本の救急救命士なんて、ほぼ皆無でしょうから。

私:日本語上手ですね! どうして日本語話せるんですか?

イケメン救急救命士:【日本語】私は、日本が大好きで、大学で日本語を学びました。東京に行ったことがあります。

私:そうなんですね! あなたの日本語、よくわかります

イケメン救急救命士:【日本語】あなたたちが日本人だったので、びっくりしました!

私:私だって、あなたが日本語話したのでビックリしました!

男性は勤務中と言うこともあり、何より深刻な状況下ということで、これ以上会話はしませんでした。

こんな所にも日本ファンがいたなんて、すごくうれしくなりました! 私はエストニアのことを全く知りませんでしたが、ぐっとエストニアを近くに感じたできごとでした。

いきなり日本語を話したイケメン救急救命士(モザイク入れなければもっとイケメン)。

救急車はどこまで行くのか

港の近くのホテルを出発してから15分。救急車はまだ止まる気配がありません。

観光客が多く訪れる旧市街地はとうに過ぎ、さっきから普通の街並みを走っています。

私たちは港から歩いて行ける旧市街を徒歩観光するつもりだったため、郊外の地図は持っていません

また、wifiはないので、スマホは原則使えません(いざとなれば、高額の海外使用料を払って使うことはできますが)。

次女の体調はもちろん心配ですが、ここで急に頭をもたげてきた別の不安。

この救急車、一体どこまで行くんだろう・・・。

郊外の病院や、隣町の病院くらいならまだいいですが、50kmも先の病院とかだったらどうしよう・・・。簡単にホテルに帰れなくなっちゃう・・・。

そんなことを考え始めた頃、大きな建物の前で救急車は止まりました。

【17:40】走ること20分。ようやく病院に着いたみたいです!

ずいぶん遠くまで来たな・・・。

テキパキと私たちを降ろして病院のスタッフに軽い引継ぎ。次女が40.4度の熱を出していること、解熱剤の座薬を投与済であることなどを伝えているのでしょう。

隊員の女性:もう大丈夫よ。ドクターの言うことをよく聞いて。さようなら!

私たちに向かって最後のあいさつをし、満面の笑みで送り出してくれました。

最後は、アレキサンドルさんや、運転手さんのおじさんもバイバイ。

救急車クルーの皆さん、本当にありがとうございました!

料金の請求は少なくともここではありませんでした。ここで一瞬思ったのが、救急車のスタッフにチップをあげるべきかどうかということ。

何が常識なんだろう・・・。

ただ、それは一瞬のことで、病院の看護師に促されて、急いで病院の中に入りました(チップはあげませんでした)。

まず支払いを求められる

ここは大きな病院のようです。

出迎えてくれた若くてかわいい看護師さんが、殺風景な廊下を先導していきます。こちらの若い看護師さんは英語が話せるようでした。

まず連れて行かれたのは、小さいカウンター。そこにおばさんが怖そうな顔をして座っていました。

おばさんが、何やらエストニア語で私たちに話し始めます。先導してくれた若い看護師さんが英語で通訳してくれました。

おばさん:パスポートをお願いします。今日具合が悪いのは誰ですか?

パパ:次女です。次女のパスポートはこれです。

おばさん:あなた方は海外旅行保険に入っていますか?

パパ:大丈夫です、入っています。

おばさん:今日、2種類の血液検査を行います。2回分の検査料と診察料で、45ユーロ(5,400円)です。

私たちが外国人だから、先にお金を払わせるのでしょう。処置後に逃げられてはたまりませんからね・・・(^^;。

外国の病院は目の玉が飛び出るほど高額だって聞いたことがありますが、ここは良心的な価格に思えました。

パパ:OK・・・。クレジットカード使えますか?

おばさん:大丈夫です。

カード使えて良かった~~。ユーロの現金はあまり余裕がなかったので・・・。かくして、検査料と診察料をクレジットカード決済しました。

初め、私たちを警戒していたような目で見ていた(ような気がした)おばさんも、支払いが終わると表情が緩みました。いろんな外国人がいるでしょうからね・・・(^^;

安心してください、私たちは支払いのいい日本人ですから!

その後、私たちは診察室に通されました。

診察室には、先生用に机上にノートパソコンが置かれ、ベッドと椅子がありました。

こんな診察室に通されました。
診察でパソコンを使うんですね~。

エストニアでの診察の様子

【18:10】私たちは10分ほど待たされ、その間に次女の体温を計測するよう言われました。

救急車で投与してもらった即効性の座薬が早速効き始めたのか、次女の熱は現在は39.6度まで下がっていました。

パパはこの間、メモ用紙に英語でこれまでの経過を簡単に記載しました。

・今日の深夜2時に39.2度の熱が出たこと。

・今日の午後からさっきまで、熱は40.4度あったこと。救急車で測っても40.4度だったこと。

・これまで2回、午前2時30分、午前10時に経口タイプの解熱剤(解熱剤=Antisoticsという英単語は、持って来た解熱剤に日本で書いておいた)を投薬したこと。

・その後救急車で即効性の座薬解熱剤を投与したこと。

・昨日、フィンランドの公園で次女が土を食べてしまったこと。

女性医師(エストニア語のみ)と看護師(英語OK)が部屋に入ってきて、診察開始。

早速パパが経過をメモした紙を渡すと、これまでの経過はすぐに把握してもらえたみたいでした。

看護師さん:これから、血液検査を2回行います。まず、採血を行います。

私:わかりました。おむつを履かせてもいいですか?

看護師さん:履かせても大丈夫です。

次女は泣かずに採血を終えました。

簡単な問診と採血が終わると、医師と看護師は部屋から出て行きました。

私たちには何の案内もありません・・・。とりあえず、そのまま病室にいて、医師たちが戻って来るのを待ちます。

次女は、救急車で打ってもらった座薬の解熱剤が効いて来たらしく、燃えるような熱さではなくなってきて、少し楽になってきたようでした。

問診の様子。パパが渡したメモを基に、医師が情報を端末に入力しているようでした。
採血の様子。英語をしゃべれる若くて美しい看護師さんが採血してくれました。

エストニアの病院でメチャクチャダンス

【18:30】医師と看護師が部屋から出て行って、後に残された私たち。

誰もいないので、診察室や廊下の様子をちょっとビデオに収めたりしました。診察室は、日本の病院と比べるとがらんとしている印象です。

廊下もちょっと見てみました。いかにも病院の廊下という感じですが、薄暗さのようなものはなく、日本の病院と同じ感じ。小児科病棟らしく、ディズニーの絵が飾ってあったり、かわいいキャラクターの矢印があったり。

やはり、医療設備や医療水準の点で、過度な心配はしなくていいように思いました。

日本の病院の廊下にも似ています。もうすぐ夜7時、患者さんは誰もいません。
ミッキーの絵が飾られていました。
小児科病棟らしい、キャラクターの矢印も。

それにしても、暇です・・・。

次女も何だか元気になってきて、表情に明るさが出て来ました。

そこで、長女、何を思ったのかくーちゃん(クマのぬいぐるみ)を使って、メチャクチャダンスを始めました!

これに次女が大喜び。キャッキャキャッキャと笑います。

元気が出てきたみたいね・・・(^^)/

10分くらい、キャッキャ言って遊んでいました。

【18:45】(ガチャッ)

初めに対応してくれた時とは違う、別の女性看護師さんが入って来ました。

手に紙を持っています。血液検査の結果が出たのでしょう。

おや・・・、熱、一時期よりも落ち着いて来たような気がするな・・・。
「くーちゃん」を使った長女のメチャクチャダンスに大爆笑! 久しぶりに次女が笑いました!
盛り上げようとしているのか、長女の楽しいダンスタイムが10分間続きました。随分緊張も解けてきました。

追加検査の指示

入ってきた看護師さんは、血液検査の結果表を見せてくれました。

とは言っても、エストニア語と英語で書かれた20項目くらいの結果表で、私たちが見ても何のことやらまるでわかりません。

この看護師さんも、初めの若い看護師さんほどペラペラではないけれども、英語が喋れるようです。

看護師:検査の結果、一部の数値で異常値が出ていますが、そんなに心配するほどではありません。重大な病気ではないようです。

看護師:ただ、念のため、追加でユリンの検査をする必要があります。

私:ユリンの検査??

看護師:そう、ユリンです。

私:(ユリン・・・?)

パパ:ひょっとして・・・おしっこ(Pee)!? <小便小僧みたいなジェスチャーをしながら>

女性看護師:そう、おしっこ(Pee)です!

(こらパパ、レディの前で小便小僧はやめろ小便小僧は)

私:おしっこね! わかりました!

女性看護師:こちらに来てください。ここで、次女ちゃんのおしっこを取って、終わったらスタッフに教えてください。

私:わかりました・・・。

【19:00】私たちが案内されたのは、診察室の近くにある、小さな処置室のような部屋でした。採尿のミッションを告げ、看護師はどこかに行ってしまいました。

はい、次女のおしっこを採ればいいのね。

次女の・・・・・。

ん? 

1歳2か月児の、尿を取る????

まだ「パパ」「ママ」くらいしか言えない次女。

「(私)ほら、おしっこして!」

「(次女)は~~い!」

というわけにはいきません。

マジか・・・。一体、何時間かかることやら・・・(^^;。

エストニアの病院でガッツポーズする次回に続きます。

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