深夜12時、涙が止まらなかったベルリンの夜(2019.9 子連れチェコ・ドイツ旅 #32)

ホテルの部屋に入ると、涙が溢れ出て止まりませんでした。

【23:20】ベルリン中央駅からSバーンで5駅西へ来た、シャルロッテンブルク駅の近くのとあるホテルの前で、日本語を話せる若いチェコ人男性から、国際的な見本市をやっている関係で今日はベルリンとその周辺のホテルはどこも満室だという話を聞いた私たち。

衝撃的な情報でした。

私達は、ベルリンはドレスデンからの日帰り旅行だったため、ホテルは調べておらず、「ホテルが空いていない」ということは全くわかっていませんでした。今日は平日なのに、まさか全部満室なんて・・・。

24時間動いているというベルリンの地下鉄で朝まで過ごすしかないと覚悟しました。

【チェコ・ドイツ旅:3日目その14】

チェコ人の男性に、スマホでホテルを検索してもらう

私達に日本語で話しかけてきたチェコ人の男性は、「ミハエル(仮名)」と名乗りました。

困っている私たちの状況を理解し、こんなことを言ってくれたのです。

ミハエルさん:それなら、私があなたを手伝いましょう!

私:でも、このあたりのホテルは全て満室だったんです・・・。

ミハエルさん:スマートフォンで検索すれば、大丈夫、どこかありますよ!

パパ:ベルリン中央駅で、エクスペディアで検索したけれど、今日のホテルは検索できなかったんです。それにWifiもないから、スマホがつながらないんです。

ミハエルさん:エクスぺディアより、こういう場合はBooking.comのほうがいいですよ(注:あくまでミハエルさんの私見です)! 私のスマホで検索してあげましょう・・・。少々お待ちください・・・。

(検索するも、家族4人で泊まれるホテルは1泊10万円以上の高級ホテルか、10km以上離れているホテルだけだった・・・)

ミハエルさん:ここから10km離れてますが、このホテルはどうですか?

パパ:全く知らない郊外にタクシーで向かって、万一迷ったり、チェックインできなかったときのことを考えると・・・。英語も話せませんし・・・。

ミハエルさん:そうですね、他のサイトで探してみましょう。少々お待ちください・・・。

ミハエルさんはビジネス日本語のため、「少々お待ちください」が口癖になっているようです(^^)/。

ミハエルさんから電話してもらう

ここでパパがあることに気付きました。ちょっと待てよ・・・。検索サイトは各ホテル何室ずつか割り当てられていて、割り当て分がなくなれば満室になるけれど、ホテルに直接聞いてみれば、空いている部屋や、当日キャンセルになった部屋があるかもしれない!

パパ:もしだったら、私がここに来る時にベルリン中央駅で探したこのホテルに、ミハエルさんが電話して、部屋があるか聞いてみてもらえないでしょうか? 検索では出てこなくても、部屋が空いているかもしれません! 

ミハエルさん:わかりました、そのホテルに、私が電話して英語で聞いてみましょう。私はドイツ語はあまり話せませんが、英語なら話せます! 少々お待ちください・・・。

(目星をつけていたホテルにミハエルさんが電話。満室だと言われるが、大変困っていること、お湯が出ない部屋やスタッフ用の部屋でもいいことを伝えて頼んでもらうが、断られる)

ミハエルさん:やはり今日は満室だそうです・・・。

ミハエルさんと一緒にフロントへ行って頼んでもらう

【23:30】ミハエルさんは一生懸命手伝ってくれますが、無情にも時間だけが過ぎていきます。

パパ:さっき、このホテルのフロントの人に、ロビーのソファで朝まで座らせてもらえないか頼んだんですが、断られたんですよ・・・(^^;

ミハエルさん:え? 座るくらい、この状況なんだし、いいじゃないかと思いますよ! わかりました、私はこのホテルのお客だし、私が頼めば、そのくらい許してくれるでしょう。私と一緒に来てください(^^)/

そうして、3たび、こちらのホテルのフロントにお願いに向かったのでした・・・。

フロントの髭のお兄さんの提案

【23:40】ミハエルさんが一生懸命英語で頼んでくれるも、髭のお兄さんは「それはできません」の一点張り。まぁ、無理もありません。

そこで作戦変更。ミハエルさんに頼んで、この近くに朝までやっている居酒屋やファミレスのような所がないか、英語で髭のお兄さんに聞いてもらうことにしました。

ミハエルさんいわく、「ドイツでもチェコでも、日本の居酒屋やファミレスのような、朝までやってるレストランはないんですよ」とのこと。でも、ダメもとで聞いてもらいました。

すると、この近くに、ロシア人がやってる24時間開いているショップ? があるとのこと。そこで朝までいさせてもらったら? と髭のお兄さんが提案してくれました。

ただし、飲食できる店ではないので、やはり事情を話して店の一角にいさせてもらう、というイメージのようです。

眠れなくても、朝まで暖が取れてお店の人がいて安全なら、地下鉄よりはそっちのほうがいい。けれど、また交渉が必要になります。そしてそこまではミハエルさんを引っ張れない。

また、これにはミハエルさんが「よくわからないし、危険だと思います。英語が通じない可能性もあります」と反対。

地下鉄に行くしかないかな、と言うと(ミハエルさんが訳して髭のお兄さんに言ってくれた)、面白いことに、地下鉄案を教えてくれた髭のお兄さんまで「それは危険だ!」と反対する始末(^^;。

髭のお兄さんも、私達のために、何か策はないか一生懸命考えてくれてる様子です。

でも、もう十分に力になってもらいました。

これ以上、2人に迷惑をかけるわけにはいきません。

フロントではダメだったということで、また外に出て来ました。

【23:50】ミハエルさんは、インターネットの別のサイトで、ホテルを検索し始めました。

髭のお兄さんからの差し入れ

検索をしていると、フロントの髭のお兄さんがペットボトルの水を2本持ってやってきました。そして、これ飲んでください、と・・・。1本は冷えた水。もう1本は常温の水。

髭のお兄さんもスマホでホテルを検索してくれたんですが、辺鄙な郊外の所か超高級ホテルしか出てこなかったようです。

食事のこともすっかり忘れていましたが、ご厚意をありがたくいただきました。

ミハエルさんとのお別れ

検索の結果はやはり芳しくありません。

すごくありがたかったのですが、時間はもう深夜12時になろうとしています。これ以上ミハエルさんをここにいさせるわけにもいかないし、12時までには動かなくてはなりません。

私達は、まずロシア人がやっているというショップ?をダメもとで見に行って、その後Sバーンでベルリン中央駅まで戻り、地下鉄の駅がどんな感じか、見てみることにしました。待合室など、意外と暖かくて安全そうな所が開いているかもしれません。その場合は、私とパパは寝ないで番をします。

そういう所がなければ、駅前からタクシーに乗って、どこか高級ホテルに連れて行ってもらいます。いや、1泊10万円払うくらいなら、10万円払って、ドレスデンのホテルまで走ってもらえばいいのです。

パパ:いろいろありがとうございました。でも、もう12時になります。とりあえずロシア人のショップに行って相談して、ダメならベルリン中央駅まで行って、地下鉄の駅の様子を見てみます。最終手段としてタクシーもありますし。

ミハエルさん:いや、地下鉄は危険だと思うし、深夜はタクシーも危険です。

パパ:タクシーなら大丈夫ですよ・・・。

ミハエルさん:私から提案があります! もし良かったら、私の部屋に来ませんか? 私は椅子で寝ますので、皆さんでベッドを使ってください!

パパ:ええっ? いんですか!! いや、私達は、朝まで部屋に入れさせてもらうだけで助かりますので・・・。

ミハエルさん:そうしましょう!

スーツの日本人登場

ホテルの入口でそんなやり取りをしていると、おしゃれなスーツを着た日本人の30代くらいの男性が外から帰ってきました。ミハエルさんの同僚のようです。

スーツの日本人:ミハエル、こんな所で何やってるんだ?

ミハエルさん:あっ、鈴木さん(仮名)、実は・・・~私たちの状況を説明~

パパ:今日はドレスデンのホテルに泊まるはずだったんですが、列車に乗り遅れてしまって、ベルリンでホテルを探してウロウロしていたんです・・。

鈴木さん:えっ? ドレスデン!? それは大変でしたね。今日はベルリンはどこも満室ですよ。明日なら、会社の人間が急に来られなくなったので、そこを使ってもらえるんですが・・・。

ミハエルさん:我々が1つの部屋に泊まって、1つ部屋を空けてあげるのはどうですか?

鈴木さん:うん、それしかないな! 我々が1つの部屋に2人で泊まるので、開けた部屋を皆さんで使ってください!

パパ:えええっ! いいんですか! とても助かりますが・・・"(-“"-)"

鈴木さん:そうと決まれば、荷物だけ動かしてきますので、ここでちょっと待っててください。

パパ:とてもありがたいのですが、ホテルが、宿泊客以外が入るのを認めるでしょうか・・・。

ミハエルさん:それは大丈夫ですよ! あなた方は、我々の大切なお客さんなんだから!!

ミハエルさんの言葉に、涙が出ました。

ホテルの部屋へ

これまで散々やり取りしてお世話になったフロントの前を、2人に連れられて、6人で通り過ぎます。私は気になって髭のお兄さんのほうを見ていましたが、髭のお兄さん、事情を察して、

私達のことを無視してくれました。

本当であれば、宿泊名簿にないお客を入れてはいけないでしょうし、定員2人の部屋だと思われますので、ミハエルさんと鈴木さんが一緒に泊まるのはいいとしても、私達家族4人が1部屋に宿泊するのは何か法律に触れる可能性もあると思います。

でも、私達を助けるため、何も見なかったことにしてくれたのです。

ミハエルさんと鈴木さんにはもちろんですが、髭のお兄さんにも心の中で大感謝したのは言うまでもありません。

部屋に入り、鈴木さんから鍵を預かり、鍵を閉めました。

ほっとした安心感からか。

皆さんへの感謝の気持ちからか。

とにかく、涙が溢れ出てきて、止まりませんでした。

眠れない次回に続きます。

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