ストックホルム:ヴァイキング・ラインのフェリーターミナルに着いても顔面蒼白(1歳&4歳:子連れスウェーデン・フィンランド・エストニア旅 ♯19)
【これまでの旅程】
1日目:羽田から北京経由でスウェーデンのストックホルムへ。アーランダ国際空港で数々のトラブルに見舞われながらも、鉄道と地下鉄を乗り継ぎ、ホテルにチェックイン。
2日目(今日):深夜2時30分起床。ホテルのレストランで朝食を摂り、午前8時前にホテルを出発。地下鉄で、ストックホルム中央駅へ。コインロッカーに荷物を預け、ストックホルム市庁舎(旧市庁舎)へ。英語のガイドツアーに参加しました。
その後フェリーに乗り遅れ、パパと大ゲンカ。1時間後のフェリーでドロットニングホルム宮殿へ。宮殿を見学後、再びフェリーで戻り、ベーテ・カテン、セルゲル広場とまわってきました。
その後、フィンランド行きのフェリーに乗るため、大荷物でフェリーターミナルを目指しますが・・・。
顔面蒼白(その1):あれ・・・港はどっちだ・・・
【18:15】地下鉄で、フィンランドへ向かう国際フェリー「ヴァイキング・ライン」のフェリーターミナルの最寄り駅「スルッセン駅」で降り立った私たちでしたが、港がどっちの方向か、全く案内がありません。
縦横に交わる道路と水面、役に立たないるるぶの地図(失礼!普段は役に立つんですが、観光地でないこの「スルッセン駅」の周囲についてはまるで役に立ちませんでした)を片手に、完全に方位を失いました。
※私たちはwifiを持たずに旅行しているので、スマホでマップを見れません。
タクシーも1台もいませんでした。
周囲の様子を見に行くと、この駅が小高い所にあることがわかりました。
この駅、地図上では港から直線距離で1km地点にある駅ですが、別に「港へのアクセス駅」というわけではなかったのです。
【18:20】フェリーの乗船集合時間は午後7時。あと40分。1km離れていますので、スーツケース2つを引っ張っていくことを考えれば真っすぐ行けても30分みなくてはなりません。
道を間違ったら、もう終わり。タイムアウトです。
ここは水面比でやや高い位置です(ビルの5~6階)ので、とにかく水面の高さまで下らないと。
カタコト英語で人に聞くか!
でも、地元の人がヴァイキング・ラインの出発港なんて知らないこともありえます。私たちだってついこの間まで違う港だと思っていた位です。聞いた人が勘違いしていて間違った道案内をしたら??
地下鉄の駅員さんに聞くか!
いや、地下で駅員に聞いたって、英語(orスウェーデン語)でルートを正確に聞き取れる自信は全くありません。
私は心臓バクバク。
パパは顔面蒼白でした。
<追い込まれていたため、ここから先はしばらく写真もビデオもありません>
【2016.7 子連れ北欧旅行:2日目その12】
サポートを受ける選択肢
【18:20】どうするか!
どうしたらいい!?
もう時間もないし、道を間違ったら一巻の終わり。
サッと、3つの「サポート選択肢」を思いつきました。
サポート選択肢1:3人以上に聞いて、その結果で行く道を決定する。
→それもいいけど、3人に英語で道を尋ねるやりとりに10分以上浪費してしまうのではないか(これもいい選択肢だったと思います)。
サポート選択肢2:タクシー利用
→タクシーはいないし、捕まえたとしても子ども2人+ベビーカー+大型スーツケース2つあるので、2台目が必要。そうこうしているうちに、タイムアウトになってしまいそう。
サポート選択肢3:スマホを使う。Wifiは持っていないけれど高額な使用料請求を覚悟でスマホをインターネットにつないで、グーグルマップでナビってもらう。
→私たちはグーグルマップのナビを100%信用しているわけではないので、使い慣れていないこともあるし、お金もかかるし、これは最終手段として現段階では見送り。
どれも、絶対これだというものはないように感じました。
サポート選択肢を決定する前に、もう少し現在位置と方角を自分たちで検討してみることにしました。
ここは「地図が読める」男、うちのパパに全てを委ねます。
パパの決断に全てを賭ける
さっきは、ここが小高い場所だということで動揺してしまった私たち。
もう少し冷静に、現在位置と方角を検討します。
(私はスルッセン駅前でスーツケース2つと子どもたちを保全していますので、パパが周辺を走り回って情報収集しました)
まず、駅前案内板のようなものは見つからず。
高台の駅前ロータリー(現在地)から下の方を見わたすと、水面は複数あるものの、1本の川が流れているのを確認(ストックホルムは川が網目状と言ってもいいくらいたくさん流れているので、川の位置だけで位置関係を判断するのは非常に危険)。
丘の位置を確認。
頼りは、「るるぶ」の大雑把な地図のみ!
フェリー乗り場は、川辺にあります。地図上でスルッセン駅の近くを流れている川が、この眼下の川だと仮定します。川は何回も合流を繰り返していて、決して「1筋の川」というわけではありません。
フェリー乗り場はこの川を海側に1km地図が行った所にあります。
高台から川の先を見ますが・・・、川が若干曲っているせいで、港やフェリーは左右どっちを見ても確認できませんでした。
パパの勘違いなどで、「眼下に見える川=フェリー乗り場のある川」でなかったら、もうアウト。
でも、周囲の地形や川の合流の状況から、この仮定で合っているのではないか。
次は、左右どっちがフェリー乗り場の方(=海の方)か。
これは見渡す限り平野や水面でよくわかりませんが、丘と川の位置関係から「右のほうがフェリー乗り場」と判断(地下鉄駅から出てきた時は、思わぬ所から地上に出てきている可能性があるので、「駅との位置関係」は考えない方が無難です)。
パパが念入りに駅周辺を走って探索すると、下に下って行く道路を発見!!
交通量のある「メインの道路」ではありません。
しかし、この道路をず~~と下って行けば、下(川の水面の高さ)に行けるのでないか!?
この下りの道路は、方角的にも、パパが見立てた「フェリー乗り場の方向」と合致しています。
残念ながら、この下り道路の先はカーブしていて見えません。「下った後にまた上ってる」とか、「全然違う方向に曲がってしまう」とかいう可能性も十分あります。
標識は全くありません。
ここは、一家の大黒柱であるパパが決断しました。
よし! スーツケース2つにベビーカーを押して、この下りの道路を進もう!!!
この交通量のない道路を本当に行くか!!
下りなので、もし途中で間違っていることがわかっても、スーツケース2つと子ども2人を抱えた状態で引き返してくることは大変な作業になります。
引き返すことは、できないと思うべきです。
一発勝負の賭け!!
私たちは、パパの判断に賭けました。
下り坂の先に
【18:25】以上の5分間の検討の末、出発!
今は、次女がベビーカーで就寝中。長女は元気に歩いてくれています。
パパはスーツケース2つをガッチリ持って転がします。手を離すと勝手に流れて行ってしまうので、万一にもそんなことはないように。
第3の大きいバッグもパパが担当。
この長い下り坂を行けば、川の脇の道に出られるのか。
そもそもこの川は、ヴァイキング・ラインのフェリー乗り場のある川なのか。
確証はありません。
でも、私たちは決断したのです。信じて進むしかありません。
細い道路の下り坂、幸い、途中で左右に折れてしまうことはなく、そのまま下(川と同じ高さ)まで私たちを連れて行ってくれました!
良かった! 高台から、この道路で下(川の水面と同じ高度)に下りられた!!!
まずは賭けに成功です。
道路境界を強引に越える
【18:35】10分ほど下ると、川沿いに、やや広い道(車道1車線ずつ+歩道)が伸びていました。
よし、あの道に出れば!
しかし、何と言うことでしょう、私たちがスルッセン駅からずっと下ってきた道は、なぜかこの川沿いの道には合流しないのです!
2つの道路の間には、工事現場がありました。
えっ、どう見てもあの川沿いの道が、私たちの今考えている正解の道。
この先で合流していることも視認できなかったので、私たちはここで工事現場を乗り越え、並走する川沿いの道にスイッチすることにしました!
工事現場を越えると言っても、フェンスなどの遮蔽物はなく、地面は平らにコンクリート舗装されていて、大人2人ならひょいっとひざ高のブロックをまたげば済む話。車の交通量も少なく、危険な行為ではありません。
しかし、ベビーカーやスーツケースとなると!!
長女は歩いていますので抱っこで持ち上げてヒョイっと乗り越え完了。
次女が寝ているベビーカーは、そのまま慎重に2人でひざ高ブロックの上をリレーさせます。
残りのスーツケースは、もちろんパパが担いでブロックを突破。
こうして、違法に何とか「川沿いの道路」に合流しました。
「川沿いの道路」で良かったのか
「川沿いの道路」に入りましたが、目指す先を見ても、フェリーらしきものは見えません。
本当にここでいいのか・・・。
私たちの眼前の川が、本当にフェリーターミナルのある川なのか・・・。
ここは、考えないで先に進むしかない!!
向こうに、川沿い(海沿い?)のマンションみたいな大きな建物が数棟見えました。
あの建物のどれかが、フェリーターミナルかもしれない。
そうに違いない。
そうあって欲しい・・・。
そう思いながら、川沿いの道を、パパが信じる方向に向かって歩き出しました。
マンションが近づく・・・。
スーツケースとベビーカーを押しながら、「川沿いの道」を歩き始めた私たちに、心強い味方が現れました。
私たちを、スーツケースを引いた旅行者のような男性が、追い越して行ったのです!!
あれ! あの人は、旅行者なんじゃないか!
この先に、ひょっとして、ヴァイキング・ラインのフェリーターミナルがあるのではないか!!
ここで合ってるのかもしれない!!
私たちは元気100倍。
長女はずっと大きな声で歌を歌って歩いていました。
10分ほど歩くと、マンションが近くに見えてきました。
そして、私たちはようやく理解しました。
マンションに見えていた建物こそが、私たちが乗る、フィンランド行きのヴァイキング・ラインの国際フェリーだったのです!!
あまりの大きさに、また道が若干カーブしていて船体部分が見えず、私たちは「建物」だと認識してしまったんですね!
「建物」、もとい、大型フェリーは2隻接岸していました。
手前のやつと、奥のやつ。
手前のやつの近くに来たので、「これはヴァイキング・ラインですか?」と聞いてみたら、ヴァイキング・ラインは奥だよ、とのこと。
バスの発着場やトラムの駅も見えてきました。
さらに進むと、巨大な駐車場に、連なる送迎バス、旅行会社のバス・・・。
この辺のバス停やトラムの駅が、「ヴァイキング・ラインフェリーターミナルのアクセス駅」なんでしょう。
【18:45】この辺で、これまで元気に歩いてきた長女が息切れ。ストップしてしまいました。
よし、少し休憩しよう。
船までもうすぐだ!
100mほど先に、大きなフェリーターミナルと、それと同じくらい大きなフェリーが見えていました。
【18:50】休憩すること5分。みんなでまた歩き出しました。
フェリーターミナルはすぐそこです。
顔面蒼白(その2):まさか・・・予約ミス・・・?
【19:00】ヴァイキング・ラインのフェリーターミナル着!!
集合時間(チェックイン締め切り時間)は午後7時ですので、若干の遅刻。ですが7時30分が本当のチェックイン締め切りだという情報をゲットしていましたので、多分大丈夫でしょう!
案内表示を見て、すぐにフィンランド行きフェリーのチェックインカウンターを発見。
私たちが乗るのは、フィンランドと言っても、ヘルシンキ行きのフェリーではなく、トゥルク行きのフェリー。くれぐれも間違わないようにしなくてはいけません。
がんばって歩いてきた長女は完全にグロッキー。
寝ている次女をベビーカーから出して、長女をベビーカーに入れますが・・・、30分以上歩いてきた長女は倒れ込むようにベビーカーに突っ伏しました。
【19:05】私たちを椅子に座らせ、日本で印刷してきたフェリーのバウチャー(予約確認書)を出して、パパがチェックイン手続きにカウンターに向かいます。
対応した女性係員は、恐らく世の男性全員がため息を漏らすであろうほどに美しい、スウェーデン美人でした。
集合時間に5分遅れてるけど、許してね(^^;
周囲にもこれからチェックインするような人がチラホラいるので、大丈夫でしょう!(^^)!
パパ:午後8時発のトゥルク行きフェリーで、4人です(日本で印刷してきたバウチャー(予約確認書)を見せながら)。
絶世の美女:はい。あれ・・・。
パパ:(ん・・・、何か止まってるなこのお姉さん・・・。いやな予感が・・・。)
絶世の美女:お客様、これ、3人分の予約になっていますよ。
パパ:ええええええええええっ!!!!!!
一難去ってまた一難。どうしてこうなっちゃうの・・・。
とにかく次回に続きます。
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