シチリア島:アグリジェントの街から路線バスで世界遺産「神殿の谷」に向かう(1歳&5歳:子連れイタリア旅 ♯47)

路線バスに同乗したイタリア人らが叫ぶバス停?(荒野の道路)で降りて、遺跡らしき所に入っていきますが・・・。

【これまでの旅程】
0日目:金曜日の午後9時30分、東北地方の自宅をマイカーで出発。車中泊。

1日目:成田空港からモスクワ経由でローマ着。深夜12時過ぎにホテルにチェックイン。

2日目:ホテルでほぼ徹夜した後、ローマ観光。テルミニ駅でスリに遭う。

3日目:午前2時45分全員起床。午前中はバチカン観光。午後、特急列車でナポリへ。

4日目:ナポリ観光。夜行フェリーでシチリア島・パレルモへ。

5日目:パレルモ観光。モンレアーレ大聖堂、パラティーナ礼拝堂、カテドラーレの3つの世界遺産を観光。夜、私が足をくじいてしまいました。

6日目(今日):朝5時30分起床。悩んだ挙句、捻挫した足を抱えてアグリジェント行きを決断。ホテルでの朝食を10分で済ませて路線バスでパレルモ駅へ。列車に乗ること2時間以上、午前11時にアグリジェント中央駅に到着。街歩きをして、ジェラートとヨーグルトを食べました。

街歩きの途中で見つけたイタリアンのお店で、私の海外旅行史上最高のランチタイムを楽しみました。

【13:45】お会計。

ビールも合わせて、本当に19ユーロでした。

おいしかったし、安かったし、お店の人もgood、素敵な天気に素敵な席、素敵な写真もたくさん。

子どもたちも終始ご機嫌。

事前に調べて行ったレストランでもないのに、思いがけず、最高のランチになりました!!

さて。。。

これから、ここから500メートルほど離れたバスターミナルに向かい、路線バスで遺跡を目指します。

イタリア語は全く話せず、ロクな情報もないまま・・・。

【2017.1 子連れイタリア旅行:6日目その5】

アグリジェントのバスターミナルを目指して

アグリジェント遺跡は、古代ギリシャ時代(紀元前4世紀~5世紀頃らしい)の神殿などの遺構が残されている場所で、「神殿の谷」と呼ばれます。世界遺産。

バスターミナルまでの道のりは、グーグルマップを日本で印刷したものを持って歩きました(私たちはwifiを持たず、スマホは時計代わりに使っているのみです)。

駅から上ってきた坂を降りて戻り、駅前で左折。その先200mほど進むと着くみたい。

駅へ戻る途中、子ども向けの馬の乗り物を発見!

長女が乗りたがりましたが、いくらかよくわからずに断念。1ユーロかとは思うんですが、表示がなくて・・・(^^;

【14:10】地図を見ながらゆっくり歩くこと、レストランから20分。

うまく、バスターミナル(ロッセッリ広場)に到着!

お馬さんの乗り物だ! 乗りたい~~!
コインを入れる所はあるけれど、値段が書いてないから・・・(^^;
ロッセッリ広場のバスターミナルに到着! どこに行けばいいんだろう・・・。

路線バスのバス停を発見!

さて、バスターミナルにはたくさんの乗り場が。10個以上並んでいます。

普通、バスターミナルって、何らかの建物があって、そこに路線図やら案内があったり、切符を売ってたりしませんか?

どうもそういう建物が見当たらないんです・・・(私の探し方が悪かったのかもしれませんが、少なくとも分かりやすい場所にはありませんでした)。

私たちが目指すのは、「州立考古学博物館」と「神殿の谷」の前を通る「TUA社」の路線バスのバス停。

TUAという文字をひたすら探すと、バスターミナルの一番奥の乗り場がTUA社の乗り場のようでした。Linea1~linea3の3路線があり、そのうちLinea2が神殿の谷の前を通る路線のようです。

私たちがこの時持っていたのは「 Linea2のバスが神殿の谷の前を通る 」という情報でしたが、今調べてみると、 Linea1~linea3の3路線とも神殿の谷を通るようです(広大な「神殿の谷」には9つのゲートがあり、それぞれ入れるゲートが違うということのようです)。

ただ、運行路線の変更があったり、逆回り(=遠回り)のバスがあったり、9つあるゲートが時期によりいくつか閉まるため、必ず現地でバスの運転手さんに「今日はどのバスに乗れば神殿の谷に行けるか」を口頭で確認することをお勧めします。

無事、「Linea2」と書いてあるバス停と、バスの時刻表を発見。

ちょうど、10人乗りくらいのマイクロバスが停まっているではないですか!

パパが、マイクロバスの運転手さんに聞いてみます。

パパ:(地球の歩き方の「神殿の谷」の写真を指さしながら)私たちはここに行きたいです。このバスに乗れますか?

おじさん:これじゃないよ。この次にここに来るLinea2のバスに乗りな。

どうも、このマイクロバスは先客があるようでした(貸切バスなのかも)。

なぁんだ、この車じゃないのかぁ・・・。

時刻表を見ると・・・、現在午後2時15分ですが、2時40分発のバスが次のバスのようです。

ここは始発だろうし、10分前にバスが入るとして、バスが来るまであと15分。

うん、ちょうどいいタイミングです! ラッキー!

※TUA社のバスの時刻表はわかっておらず、行き当たりばったりでした。

バスのチケット売り場がわからない

よし、次に、バスのチケットを買わないと・・・。

事前の情報では「バスのチケットは小屋のようなチケット売り場で買える」とあります。

バスターミナルのくせに、しっかりしたチケット売り場でないんですよね(^^;

小屋・・・、小屋・・・。

あれかな!!

チケット売り場のような小屋があったので、そこで聞いてみることにします。

パパ:(地球の歩き方の「神殿の谷」の写真を指さしながら)私たちはここに行きたいです。チケットを買えますか?

小屋の中のおじさん:ここでは買えないよ。あそこで買いな!

おじさんが指さしたのは、近所のバール(喫茶店)でした。

おい~~! バスターミナルで路線バスの切符買えないんか~~い!!

まぁいい・・・、ここはイタリアだ・・・。

ローマでは、壊れたバスチケットの自動販売機に5ユーロも投入して、飲み込まれたじゃないか・・・。

道路の向かい側にあるバールに向かいます。

「Linea2」の乗り場に停まっていたマイクロバス。これは違うバスのようです。
切符売り場はありましたが、どうもここはミラノやローマ行きの長距離バスの切符売り場みたいです。
切符売り場で、向こうのバール(喫茶店)で売ってるよと言われました。

バールに入店

【14:20】バールに入店します。

ドアを開けると、店内にお客さんは誰もいなくて、喫茶店のマスターがカウンターに立っていました。

人がいて良かった~~(^^;

時間によっては、「休憩中で閉まってる」とかもあると思うので・・・。

マスター:いらっしゃい(^^)/

私たち:(ごめんなさい、コーヒーを飲みにきたわけじゃないんです・・・(^^;)

パパ: (地球の歩き方の「神殿の谷」の写真を指さしながら)私たちはここに行きたいです。TUAのバスのチケットを買えますか?

マスター:買えるよ(^^)/。何枚?

パパ:2枚。(年中組の長女を指さしながら)子どもはチケット必要ですか?

マスター:子どもは不要だよ。

パパ:往復で(アンダータ・エ・リトルノ)! (注:このイタリア語だけは「地球の歩き方」で勉強して、暗記していた。パレルモ駅で列車の切符を買うときも使って、往復切符の購入に成功していた)

マスター:往復? それなら1人4.8ユーロだよ。

パパ:(ん? 情報では片道3.5ユーロってことだったけれど・・・。往復はメチャクチャ安くなるのかな・・・。ま、いいや・・・。)

4.8ユーロ×2人分で9.6ユーロ払うと、マスターがバスのチケットを4枚渡してくれました。

4枚とも、特に行き先とか書いてないけど・・・。2枚が往路、2枚が復路分ってことですねきっと。

「TUA」って書いてあるし、これでバスに乗れるのでしょう。

多分・・・。

若干の不安

【14:30】バスのチケットをゲットして、バス停に戻り、待つこと5分。TUA社の「Linea2」のバスがやって来ました!

普通の大きさのバスでした。

さっき買ったチケットを2枚渡すと、上の方をビリッと破きました。これで「使用済み」ってことでしょうか。

その後、続々とイタリア人の皆さんが乗車してきます。乗車率は座り席で見て50%くらいでしょうか。立っている人はいないけれども、椅子席は結構埋まっています。

観光客は私たちだけで、皆さん、思いっきり地元の皆さんって感じ。

あれ、世界遺産の神殿の谷に行くのって、このバスでいいんだよね??

そういえば、バス停のどこにも「世界遺産」とか「神殿の谷」とかの単語や写真は出ていなかったけれども・・・(^^;

【14:40】若干の不安の中、バスは定刻通りに発車しました。

今乗っているのがどこ行きのバスなのかもわからないままに・・・。

バスのチケットをゲットし、ベンチでLinea2のバスを待っています。このバスターミナル、待合所がないので、雨が降ったらかなり不便そうです。

イタリア人はおしゃべりが大好き

発車すると、私達の前に座っていたイタリア人のおばあさん(70代くらいの人に見えました)が、子どもたちを見て私に話しかけてきました。

英語話せるのかな? と思ったら、思いっきりイタリア語で(^^;

おばあさん:子ども、かわいいわね~! いくつ?(イタリア語。雰囲気で理解)

私:5歳と1歳です。

おばあさん:1歳! かわいいわね~! どこから来たの? (イタリア語。予測で理解)

私:日本です。

おばあさん:日本から来たの! 遠くから来たわね~! どこへ行くの? (イタリア語。状況で理解)

私: 「神殿の谷」です(地球の歩き方の写真を見せながら)。

おばあさん:神殿の谷、いいわよ~~!! 古代の遺跡がたくさんあって。超オススメよ! (イタリア語。妄想で理解)

私:ははは・・・、そうですよね・・・(^^;(と言いながら車窓の風景を眺める)

(イタリア語の会話はMP(ドラゴンクエストに出てくるやつです)の消耗が激しいので、会話を終わらせに入る。)

おばあさん:遺跡なら、もう見えてるわよ! ほら、あっちの山の上に、ほら! (イタリア語。身振りで理解)

私:ははは・・・。

おばあさん:ほら、あっちにも別の遺跡が!! ほら!! (イタリア語。手振りで理解)

私:ははは・・・。

おばあさん:イタリアで、おいしいものはもう食べた? おすすめは・・・(イタリア語。この辺で私のMPは尽きた)

おばあさん、私がイタリア語全く話せないのわかってるでしょうに、話をやめてくれない・・・。参ったなぁ・・・(^^;。

伝わらなくても、あきらめない!

絶対に、あきらめない!

素晴らしいメンタルです。見習わないとだわ(^^;。

バスは、木の生えていない山をどんどん上っていきます。山を越えて向こう側に行くバス路線のようですね。

まさかの連係プレー

こんなことを思って苦笑いしていると、おばあさんがバスに同乗している他の人(黒人男性)にイタリア語で話しかけました。

おばあさん:〇×△〇××△、×△〇××△△~。(イタリア語。MPが切れたため翻訳不可)

黒人男性:〇×△〇××△! 

おばあさんと黒人男性が何やら2~3言話したかと思うと、おばあさんと黒人男性が、運転手さんに向って大声で叫びました。

おばあさん: 〇×△〇××△!

運転手さん:????

黒人男性:〇×△〇××△〇×△〇××△!!

運転手さん、ここでコクリとうなずきます。

そして、それから1分ほど経った頃だったと思います。

何もない山中で、バスが停まりました。

プシューッ。バスのドアが開きます。

ん? こんな山中で、誰か乗客かな?

すると、黒人男性が私たちに向って英語で叫びました。

黒人男性:あなたたちはここで降りなくてはならない!

私:(ええっ! なんにもないここで?? 遺跡の入口は??)

黒人男性:ここが神殿の谷だ! ここで降りなくてはならない!

この時、ようやく私たちはおばあさんが機転を利かせてくれたことを理解しました。

私たちは「神殿の谷」へ行くためにバスに乗っていましたが、運転手さんに神殿の谷のバス停で止めてもらうリクエストをしていませんでした。

もうすぐ「神殿の谷」にさしかかる辺りだったんでしょう。

以下、私の予想する会話内容です↓。

おばあさん:(黒人男性に向って)あなた、英語話せる?

黒人男性:大丈夫ですよ。

おばあさん:この日本人たち、神殿の谷に行くみたいだけど、バス停がわかってないみたい。(運転手に向って)運転手さん、次のバス停で止まって~!

運転手さん:????

黒人男性:(運転手に向って)次の「神殿の谷」で止まってくれ!

運転手さん:(コクリ)

おばあさん:着いたら、英語でこの日本人たちに降りるように言って。

黒人男性:そうですねわかりました。

おばあさんと黒人男性、イタリア人同士の見事な連携プレーでバスを停め、私たちを神殿の谷で降ろしてくれたのです。

私たちが持っていた情報では、「州立考古学博物館前」の次が「神殿の谷」ということだったので、博物館らしいものを通り過ぎた後に停車の合図をするつもりでした。

ところが、考古学博物館の建物をうまく認識できなかったようで、博物館のような建物の横はまだ通り過ぎていないという認識だったので、神殿の谷の入口はまだ先だと判断していたんですよね。

最後バスを停めて私たちを降ろす時なんて、3~4人のイタリア人が英語で「あなたたちはここで降りなければ、ここで降りなければ!」と私たちに教えてくれたので、荒野の真っただ中ではありましたが信じて降りることができました。

イタリアって、案内やシステムは不親切ですが、人がとても親切な国ですよね(^^)/

こんな所で降ろされました。確かに立札のようなバス停はありますが・・・。ここが世界遺産の入口?

言われるがまま降りたが・・・

【14:50】私たちはおばあさんと黒人男性に手を振って、バスを見送りました。

降りたはいいけれど、ここ、本当に世界遺産「神殿の谷」の入口なのか・・・。

見ると、何やら小屋がいくつか建っていて、その先に何かありそうです

他に選択肢もないので、そっちのほうに行ってみます。

少し進むと、「ENTRANA」と書いた簡素な看板が。

世界遺産の入口とはとても思えない体裁のものですが・・・。

どこかの会社の通用口のような・・・。

でも、小さくつけられた案内地図を確認すると、ここが「神殿の谷」の入口で間違いないようです。

この時、私たちは「神殿の谷」に入口が9カ所もあることを分かっていませんでした(入場10ユーロの施設なので、入場口は1カ所、あっても2~3カ所くらいかと思っていた)。

それがあまりに簡素だったので、本当にここでいいのかと不安に思いました。

道路から少し入った所。これが本当に世界遺産の玄関??
フェンスがあり、看板がありました。
「入口」と書いてありますが、これが世界遺産の入口?? 人も誰もいません。

ここが入口で正しいらしい

会社の通用口のような入口から入り、真っすぐすすんでいくと、小さなゲートと、チケット販売所がありました。

チケットは1人10ユーロ。大人2人で20ユーロ。子どもは無料。

料金を取るってことは、やはりここが「神殿の谷」の入口で間違いないようです。

私たちの他、入って行く人は誰も見当たりませんが・・・。

入場ゲートの先には、公園の遊歩道のような道が続いています。

けっこう歩いても、そのままの景色。周囲に木が植えられ、散歩にはピッタリ・・・って、遺跡はどこじゃ遺跡は!!

バスから見えた遺跡も、今は見当たらず。

私たち、実はここで重大なミスを犯していました。

さっきの入口で、案内マップをもらっておくべきだったのです!

「神殿の谷」の概略図は「地球の歩き方」にも載っていますが、やはり簡単なもので、実際に歩くとなるとあまり参考になりません。

そもそも、現在地が広大な神殿の谷のどこなのか、まるでわかっていないのです。

ちょっと考えて、現在地を確認してから入るべきでした。

きれいに整備された道を進みますが、遺跡はどこに・・・(^^;
向こうに何か見えてきたような・・・。全然考えてなかったけど、そういや遺跡って、ベビーカーでも行けるのかな?

入って行けば、案内図や看板があるに違いない。

「コンコルディア神殿→500m」

「州立考古学博物館→1.2km」

とかさ。

世界遺産だし!

ってゆーか、古代ギリシャ時代(紀元前5世紀頃)の遺跡って、ベビーカーOKなのかな

入口で止められはしなかったけれど。。。

神様の声:「ベビーカーでの来訪を想定していない」のではないか?

皆さんの期待通りの展開になる次回に続きます。

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