ジャカルタ深夜、凶悪ブルーバードタクシーの洗礼 ~トラブルその9~(2018.8 子連れインドネシア旅 ♯39)

【写真】22:56、定刻通りジャカルタのガンビア駅に到着!

【これまでの旅程】
1日目:前日の午後8時に家を出発、成田からジャカルタ経由ジョグジャカルタへ。

2日目:ボロブドゥール郊外観光

3日目:世界遺産:ボロブドゥール遺跡観光

4日目:ジョグジャカルタ、世界遺産:プランバナン寺院観光。

5日目:ソロ観光

6日目:ジョグジャカルタから列車でバンドンへ。バンドン観光。

7日目:カワプティ観光

8日目(今日):朝5時30分起床、10時前にホテルを出発。炎天下の中で遠回りをしながらも、何とか「バンドン交通公園」に到着。遊具とプールで遊んだ後、昼食のためショッピングモールへ。その後タクシーで「サン・アンクルン・ウジョ」へ行き、公演を楽しみました。

タクシーでホテル経由:バンドン駅へ戻り、「ほか弁」を買って、特急列車でジャカルタへ向かいます。

ご飯を食べて少しゆっくりし、ウトウトしていると、あっと言う間に3時間経過。もう間もなくガンビア駅です。

いよいよ最終目的地の首都・ジャカルタ。

ぼったくりポーターを討伐したのもつかの間、まもなく、いよいよ今回の旅の大ボスが登場します。

【インドネシア旅:8日目その6】

深夜のガンビア駅

【23:00】バンドンから3時間15分。定刻通りジャカルタのガンビア駅に到着しました。

私たちは大荷物なので、例によって一番最後に列車を降ります。

うれしい! これまでの駅は日本みたいなホームがありませんでしたが、この駅は普通にホームがあります。スーツケースも難なく降ろすことができました。

子どもたちは2人ともぐっすり。重たい長女をベビーカーに乗せ、次女は私が抱っこ。私は次女を抱っこしながらベビーカーを押し、パパはスーツケース2つ+αの荷物を担当します。

5号車に乗車していました。
深夜のガンビア駅。
ホームのエレベーターのボタンが壊れていました。構わずに押したら反応して、エレベーターは来ました。

ガンビア駅の改札を出ます。

さてと・・・。ここから今日泊まるホテル「マンクスワンホテル@グロドック」までは、タクシーで9㎞、約15分の行程です。いや、夜11時過ぎだから、10分くらいかな・・・。メーター走行だと40,000ルピー(350円)くらいになりそうです。深夜だから、割増料金があるかもしれません。

「トランスジャカルタ」という公共バスも運行していますが、スーツケースなどの大荷物を持っての乗車はできません(バスが深夜で空いていても、駅の構造等の理由でかなり難しい)ので、ここからホテルへの移動はタクシー一択です。

残念ながら、駅を出てすぐのところにはタクシーはいませんでした。

子どもたちは2人とも寝ているし、スーツケース2つ+αもあっては身動きが取れないので、私は子ども2人と駅の待合室で待ち、まずはパパが1人で外に出てタクシー乗り場を探すことに。

ブルーバードタクシーをゲット!

さて、タクシーorタクシー乗り場を探して1人外に出たパパ。あたりを見回しますが、タクシーの姿がどこにも見当たりません。ガンビア駅は首都ジャカルタの中心駅。日本で言うなら東京駅みたいなものです。夜の11時過ぎとはいえ、タクシーが見当たらないとは・・・。

私たちは一番最後に列車を降りてきたので、先に降りた人たちが待機していたタクシーに乗っていってしまったのかもしれません。

駅を出て左の方に、バス停やらタクシー乗り場やらがある雰囲気。パパはそっちの方に歩いて行ってみます。

ありました! ブルーバードタクシーのタクシー乗り場。けれども今はタクシーが1台もありません。夜11時過ぎですが、パパ1人でここにポツンと立ってブルーバードタクシーを待ちます。

夜の駅のタクシー乗り場で1人ポツンと立ってタクシー待ちするの、後ろから不意に襲われないか、かばんをひったくられないかと思い、たまに通行人が来るたびに緊張していたそうです。

10分ほど待って、ようやく1台のタクシーがやってきました。良かった~~。ってことで、パパがタクシーに乗り込み、私たちの待つ駅の正面にタクシーを連れてきます。

【23:20】大荷物を積み込んで、9km先のホテルに向けて出発です。

このホテル、基幹バスシステム「トランスジャカルタ」のグロドック駅のすぐ近くで、メイン通りを真っすぐ行くだけの、すごくわかりやすい道です。ホテルを間違えないように、地図も見せて、いや、見せるだけじゃなくてプリントしたものを運転手に渡しました。ちゃんとメーターも動いています。

メイン通りは工事で大渋滞

走り始めて5分。ジャカルタ中心部を南北に結ぶメイン通りに入ったところで、大渋滞に出くわしました。ちっとも前に進みません。これは、工事渋滞です。道路が工事でほぼ封鎖されています。

パパ:混んでいますね(^^;

タクシー運転手:チッ! チッ! トラフィックジャム(渋滞)・・・。

ん?? この時のタクシー運転手の反応に違和感を覚えました。

ここはジャカルタで一番のメイン通り。

ここで夜間道路工事をやっていて大規模な封鎖により大渋滞が発生していること、知らなかったような言い方でしたが、タクシー運転手がこの大規模なメイン通りの夜間工事のことを本当に知らないものでしょうか。

この運転手、運賃をかせぐため、わざと工事渋滞に突っ込んだんじゃないか・・・。

いや、インドネシアで一番評判のいいとされるブルーバードタクシー。これまでも、間違って別のホテルに連れていかれたことはあったけれどわざとではなかったようだし、まさかそんなことしないよね・・・。

ってゆーかもう夜の11時30分。本当ならもうホテルに着いている時間。こんな時に時間稼ぎなんて勘弁してくれ・・・。

工事の大渋滞にはまったタクシー。わざと?
メイン通り5車線全てつぶして、1車線だけ通れるようにしています。

見ると、片側5車線ある道路を全て規制し、トランスジャカルタ専用車線(バス専用車線)1車線に全ての車を誘導しています。

そしてさらに観察していると、トランスジャカルタ専用車線は、両側にバリケートがあり、いったんそこに入ると左右に抜ける道はありません。いったんこの渋滞に突っ込んでしまうと、この直線道路の工事区間がどこまでかわかりませんが、高速道路のように、工事の終点まで逃げ場のない1本道なのです。

このアホ、わざとこの渋滞に突っ込んだな・・・。私は確信しました。

恐怖の居眠り運転。クラクションとパッシングの嵐。

【23:40】タクシーに乗車して20分。両側にバリケートがあり逃げ場のない1車線の道路にあって、前の車が進んでいるのに私たちのタクシーは前進しません。後ろの車がクラクションを鳴らします。

見ると、運転手さんが寝ています。

クラクションで起き、車を前進させ、また寝ます。そして後ろの車はクラクション。

また寝ます。そして後ろの車がクラクション。

また寝ます・・・。そんなことが続き、後ろの車はクラクションに激しいパッシングまでしてくるようになりました。

私もパパも、かなりヤバいタクシーに乗ってしまったことを確信。緊張感が高まります。

こうなったら、無事に降ろしてさえくれればどこでもいいです。

深夜12時近くと言えどここはジャカルタ一番のメイン通り。深夜に車の外に出るのは危険ですが、このタクシーを降りさえできれば、別のタクシーを捕まえられるでしょう。

しかし工事渋滞の真っ只中。スーツケース2つも積んであり、強引に車外には逃げられません。逃げたとしても工事現場の真っ只中に出てしまいます。

ここは、付き合うしかないようです(^^;。

それにしてもひどい運転が続きます。後ろの車のパッシングやクラクションがものすごいです。

パパもあきらめているのでしょう、あえて運転手に声をかけようとはしません。

この運転手はまともじゃありません。

気の弱そうな感じのおじさんだったんですが・・・。

おクスリでもやっているんでしょうか。

とにかく耐えるしかありません。

10分・・・、20分・・・。

クラクションとパッシングの嵐が30分以上続いたその時、工事区間が終了し、ようやく広い通りに出ました! メイン通りをまっすぐ進んできていたので、おそらくこのままあと3kmほど真っすぐ進めばホテルです。ようやくこの狂ったタクシーから解放されます。

【24:00】運転手は居眠りを繰り返していましたので、相当に眠いんでしょう。これ以上遠回りなどはしないはずです。私もパパも、恐怖の運転もようやく終わったか・・・と胸をなでおろしました。

突然の加速。左折。

信号が青になりました。

すると突然、タクシーが急加速し、タイヤを鳴らしながら左折! 猛加速して、80km以上の猛スピードで走り出しました! 明らかにホテルから遠ざかっています。

このルートもおかしいですが、この走り方も、もうおかしいなんてレベルではありません。完全に狂っています。

どこまで遠回りするつもりなんでしょう。猛スピードで深夜のジャカルタの街をあらぬ方向に爆走しています。

5分・・・、6分・・・。どこまで行くつもりなんでしょう。地図も渡してあるし、これが遠回りだと私たちが知っていることを分かったうえでのこの走行です。

普通、タクシーの遠回りは、道の知らない旅行者を騙してするものです。

もはやこのタクシーの挙動からは「騙す」という意図を感じません。

騙している・・・、と言うより、強引に連れ去っている最中、という表現がぴったりです。

これは、・・・「遠回り」・・・なんでしょうか。

それとも・・・・

タクシー強盗?

パパも、同じことを考えているようです。狂人を刺激しないように、静かな日本語で話します。

パパ:こいつ、完全に狂ってるな。このまま郊外まで連れていかれたらマズイ。強盗や誘拐の可能性がある。

私:そうね。どうする? タイでやったみたいに、騒ぐ?

パパ:いや。こいつ、ナイフくらい持っているだろうし、騒ぐのは最後の手段だ。もう少し様子を見よう。

私:わかった。

パパ:もし、タクシーが小路に入ったり、さらに郊外に出たりしたらいよいよ危険信号だ。その時は止まるよう言うし、止まらなければ思いっきり大声をあげて騒ぐぞ。何とか止めて、体だけでも降りるんだ。その時は荷物はあきらめよう。俺が運転手を押さえるから、子どもを何としても降ろして、大声を出して逃げてくれ。

私:わかった。

私もうすうす気づいてはいたものの、最悪の状況が目に浮かび、さすがに体が震えました。

もし、もしこの最悪の場面が訪れたら、全員無事では済まないでしょう。

でも、このまま郊外へ連れて行かれて、一家4人、何もせずむざむざ殺されたりはしない。運転手1人なら、パパが何とかしてくれるでしょう。

運転手のアジトまで連れて行かれたらおしまいですので、それ以前には行動を起こす必要があります。

その時、タクシーが猛スピードで交差点を曲がりました。

相変わらずすごいスピードでかっとばしています。

・・・2分。・・・3分。

また曲がりました。

・・・2分。・・・3分。これは、完全に私たちを連れ去ろうとしています。

でも、パパの頭の中には大体のジャカルタの地図が頭に入っているようです。今、だいたい大まかにどの辺いいるのか、わかっているようです。

また交差点を曲がりました。

・・・2分。・・・3分。

パパ:おや? これは目的地の方向だよ。大丈夫かもしれない。

私:ホント? 良かった~。

パパ:ほら、あれがコタ駅だ! 明日行くところだよ。じゃぁここを右折すればメイン通りだ・・・。

どうやら強盗や誘拐でなく、遠回りが目的だったようです。時間はもう12時10分。50分間もこの狂ったタクシーに乗っています。

パパは、さらなる遠回りを避けるため、運転手を積極的に誘導します。私たちが現在地がわかっているというアピールをします。

パパ:ほら! あれがグロドック駅だ! あそこで反転して!

狂ったタクシー運転手:そうだ、あれがグロドック駅だ!

(おっ! 受け答えしたところを見ると、私たちをようやくホテルに連れて行く気になっているみたいだな・・・。)

パパ:(わざわざ大回りして逆方向から来たから)ホテルは道路の反対側だ! そこで転回しよう!

狂ったタクシー運転手:・・・(交差点で無言で転回)

パパ:ホテルの看板がないなぁ・・・。あ、あれだ! あそこを左折して!

狂ったタクシー運転手:そうだ、そうだ。

【24:20】かくして、タクシーは無事「マックスワンホテル@グロドック」に到着。メーターは12万ルピー(960円)を指していました。渋滞と遠回りで、予定の40,000ルピーの3倍の値段になりました。

まずは、スーツケースを降ろし、ベビーカーを降ろし、子ども2人を降ろします。

そしてパパが12万ルピーを払って、忘れ物がないかくれぐれも確認し、サンキューと言うと、タクシーは猛スピードで逃げて行きました。

私:あんなに見え見えの遠回りされたのに、ちゃんと払ったのね・・・。

パパ:スーツケースと君と子どもがすぐホテルに入れて、ホテルの人が出てきてくれたら運転手のIDか顔を写真撮るか、騒ごうかどうしようかと思ったけど、この階段ではね。ホテルの人も出てこなかったし、戦う選択肢はなしさ。

パパ:それに、あれだけ渋滞に乗って遠回りされても1,000円くらいだったしね。勉強料だと思って払ったよ(^^;。

確かに。深夜12時20分で周りに善良なインドネシア人がいない状況では、何もできません。

とにかく、無事についたことでホッとしました(^^;

疲れた~~~~。

考えてみれば、スマホをなくした事件よりも、この凶悪タクシーに乗ったことの方が、深刻なトラブルだったかもしれません。

凶悪ブルーバードタクシーの通ったルート図はこちら。

一時は命の危険を感じた凶悪ブルーバードタクシーの走行ルート

凶悪タクシー対応についての考察と反省点

今になって思えば、この狂ったタクシーが大きな通りだけを爆走して戻ってきたのが幸いしました。

もし、小路に入っていたら、私たちが命の危険を確信して総攻撃し、無事では済まなかった可能性がありますから(^^;。

その場合は、最良の結末でも、荷物は失っていたことでしょう。

今回の反省点は、(そもそも深夜にタクシーに乗る旅程にしたことが一番の反省点ですが・・・。まだ11時だからと油断がありました)、乗車後の渋滞区間で繰り返し居眠りするなど明らかな挙動不審が繰り返されたときに、黙っていてしまったことです

あの時にせめて「大丈夫ですか?」くらいは声をかけ、少なくとも会社のIDくらいはビデオ撮影するべきでした。

明らかに危険運転を繰り返しているあの時に何もしなかったせいで、こいつらは何をしても大丈夫とナメられ、遠回りにまで発展した可能性があります。

今後、外国で深夜タクシーに乗る時は、必ず乗車前に運転手の顔かIDをビデオ撮影することに決めました。

フラッシュでの写真撮影だと「何だよ!」という感じでしょうが、子連れ親子が旅行中にビデオをまわしていてもそこまで不自然ではないので、パパが運転手と話している間に私がビデオをまわす形で、運行前に運転手の顔や会社のID、車両ナンバーなどを押さえられるでしょう。

その後にさり気なく撮影アピールをしておけば、運転手も下手なことはしずらいはずです。

少なくとも、生還できたら、このブログで凶悪ドライバーの顔だけでも日本人の皆さんに共有して注意喚起をすることができます。

今回は、この凶悪ドライバーの顔写真などを押さえられなかったことも痛恨事でした。

着きました・・・。怖かったぁ"(-“"-)"
フロントの前でぐったり。長女が目を覚ましました。

こんなことがあっても、子どもたち2人はず~~~っとぐっすり。・・・と思ったら、長女が目を覚ましました。長女が自分で歩いてくれると、次女をベビーカーに乗せられるので楽です(^^)/。

遅くとも深夜12時には着くはずでしたが、もう夜の12時30分。チェックインをして、ようやく部屋へ。

マックスワンホテル@グロドックのお部屋

【24:30】こちらは3つ星ホテル。「スタンダード ツイン」という普通のお部屋です。お値段は後ほど紹介します(^^)/

お部屋は広くはありませんが、寝るだけの私たちには十分。ツインベッドで4人で寝ます。

きれいな筆記スペース。充電や、荷物を置くのに便利です。

できたばかりのホテルなので、何もかもがとにかくキレイ。シャワーや洗面台などがきれいなのがポイント高いです(^^)/。これは快適に過ごせそうです。

疲れましたが、シャワーは浴びて寝ます。

水まわりがピカピカ!
トイレ、シャワーもきれいです。

ここで次女も目を覚ましましたので、シャワータイムにします。子どもたちは、特急列車の中からここまでず~~っと寝ていたので、元気です(^^)/。

っと、ここにはシャンプーの設置がありませんでした。これまで泊まったホテルにはあったんですが・・・。私と子どもたちは日本から持参したシャンプーを使っていますが、パパは備え付けの物を使ってるんですよね。パパにシャンプーをあげないと。

【1:00】さっとシャワーを浴びて就寝。

【1:30】子どもたち就寝。

【2:30】パパ就寝(スマホのゲームをやって夜更かししたらしいです)

明日は、昼間ジャカルタを観光し、夕方、日本に帰るために空港へ向かいます。

インドネシア旅行も実質明日が最終日。今日のように肝を冷やすことはもうこりごりですが、もう2~3日、ジャカルタを観光したかったなぁ。

最終日くらいは、トラブルがありませんように・・・(^^;

でも、なぜか起こっちゃったんですよね、今日のほどひどくはありませんが、トラブルが・・・

次回、1つだけ別の記事を挟み、続きます。

※トラブル連発!子連れインドネシア旅行記の第1話はこちら(全て無料)