【2023.5】雨のプリトヴィツェを泣きながら歩いた話(小2&小6:子連れクロアチア+5か国周遊旅 ♯52)
【これまでの旅程】
1日目:昨晩夜に東北地方を出発、シンガポール半日観光の後、空港の椅子で1泊。
2日目:朝5時半の飛行機でアテネへ。セルビア航空機を乗り継いで、ベオグラード経由モンテネグロのポドゴリツァ着。夜11時、ホテルにチェックイン。
3日目:6時起床。オストログ修道院、ポドゴリツァ正教会をタクシー観光後、バスでコトルへ。夕方からコトル観光。深夜2時過ぎ、運休したバスの代替バスの手配に成功しました。
4日目:朝5時に起床し、コトルの城壁登山。その後バスでクロアチア:ドゥブロヴニクに向かい、夕方にホテルチェックイン。ドゥブロヴニク旧市街を散策しました。
5日目:ドゥブロヴニク旧市街観光。夕方のバスでスプリットへ移動。アパートメントで就寝。
6日目:スプリット旧市街観光、トロギール観光。
7日目(今日):朝5時起床、朝6時にスプリットのホテル出発。7時発の長距離バスに乗り、プリトゥヴィツェ湖畔国立公園に向かいます。途中、突然のバスの乗り換えを経て、午前10時半、国立公園に着いたと思ったら、バスが「エントランス2」をパスしたので大いに焦りましたが、無事「エントランス1」には停車。
雨の降りしきる中、午前11時、雨具を装備して6時間のトレッキングに出発。12時、歩いて全行程の3分の1まで来ましたが、渡し舟に乗るのに1時間かかり、昼食は雨の中立ったままカロリーメイト。午後1時に渡し舟を下船しました。
【12:45】ようやく連絡船に乗船!
韓国人め・・・。
(神様の声:いやいや、もういいだろ・・・)
連絡船は屋根が付いているので、レインコートのフードも外せて、久しぶりに呼吸した気分。
これで、地図上の「P2」地点に移動し、そこからトレッキング後半戦(前半で3分の1、後半で3分の2)の開始です。
【2023.5 子連れクロアチア・モンテネグロ・スロベニア・イタリア・ギリシャ・シンガポール旅行:7日目その3】
まずはトイレへ
【13:00】15分の乗船で、到着。
私たちはこの渡し船に最初に乗ったおかげで、下船は最後になりました(^^;
ここから先、Kコース(2024年10月現在はCコース)の後半戦トレッキングが始まります。
徒歩コースの8kmのうち、これまでに歩いたのは約3km。
ここから、あと5km歩き、途中でトロリーバスにも乗車する(=乗車待ちが発生する可能性がある)必要があります。
タイムリミットは午後4時ですので、あと3時間。
雨は降り続いています。
ここからコースに歩き出したら、途中で天候が悪化したりしても、戻るのは困難になります(途中でショートカットできるルートはありません。行くか、戻るかの2択になります)。
3時間あるならイケると判断しましたが、これから5kmのトレッキング、戦(いくさ)の前には・・・。
トイレだ!!
船着き場にはトイレがあり、この先、トレッキングコースの終着点(トロリーバス)乗り場までトイレはありません。
替わりばんこにトイレに行きました。
何かがおかしい
【13:10】パパがまず先にトイレに行き、その後女性陣がトイレへ。
トイレはまずまずきれいでした。
私たちがトイレに行っている間、パパが看板でコースを確認します。
うちらがなぞっているのは「Kコース」。
あれっ、他のコースの立札(矢印)は所々に立っているのに、「Kコース」の矢印がないなぁ・・・。
不思議に思っていると、パパは
「↑ エントランス2」
という立札があるのを発見しました。
えっ?
これまで回ってきたのは、国立公園の北半分「下湖群」。
これから、国立公園の南半分、「上湖群」へと入って行きます。
「P2」地点は、この上湖群をまわるトレッキングコースのスタート地点のはず。
「エントランス2」って、上湖群をまわるトレッキングコースのスタート地点とは、湖の反対側にあるはずなのです。
えっ、今、うちら、どこにいるんだ・・・。
Kコースから外れてしまったのか・・・。
あわてて地図の案内板に戻ってよく確認すると、
現在、「P1」地点にいることが判明しました。
上湖群をまわるトレッキングコースのスタート地点である「P2」地点は、湖の向こう側なのです!
えぇっ!
連絡船は、「P3」地点から「P2」地点へ運行しているはずなのに、「P1」地点に連れてこられたんだ!!
Kコースを行くには、渡し舟で湖の向こう側に急いで渡らないと!!
パパはさっきの船乗り場に急いで戻ると、「ここはP1」と大きく表示された看板を発見。
あああ、てっきり「P2」地点だと思って、看板とか全然確認してなかった・・・。
ここ「P1」乗り場には、よく見ると、「P3」行きの船の乗り場(陸地から見て右側)と、「P2」行きの船の乗り場(陸地から見て左側)がありました。
そして、私たちが行きたい「P2」行きの乗り場には、船と、ほぼ満員の乗客が!
今ならちょうど「P2」行きの船に乗れそうです!
度重なる時間ロス
【13:15】パパは、5分ほど私たちを待ちましたが、トイレから出てこないので、連絡船乗り場に向かい、船のスタッフに声をかけました。
パパ:私も乗ります! 妻と子どもたちが今トイレに行っています! 2~3分待ってもらえませんか?
船の人:今出航するので、次の船をご利用ください。わずか15分後ですので。
パパ:あああ・・・、振り返っても、妻と子どもたちはまだトイレから出てこない・・・。もう10分もトイレにかかって・・・。急がなくてはいけないのに・・・。
渡し舟は静かに出港。
渡し舟、行っちゃった・・・。
5分でみんなのトイレを済ませられれば、余裕でちょうど乗れたのに・・・。
【13:20】そこへ、私たちがトイレから出てきました。
パパ:トイレ、遅かったね。
私:ごめんごめん、次女が大のほうで、時間かかっちゃった。
パパ:ここ、上湖群のトレッキングコース入口の「P2」地点じゃなくて、エントランス2に近い「P1」地点だったんだわ・・・。
私:えっ! そうだったんだ!
パパ:ちょうど今、P2行きの船が出たとこ。普通にトイレから出て来てくれれば・・・。次は15分後だって。また時間のロスだ・・・。
私:そうなんだね・・・。
さっき、「P3」からここ「P1」に来た船では、韓国人の割り込みにあって私たちのすぐ前で列を切られ、1つ後の船に回されて、15分のロス。
そして今、ここがガイドブックの案内と違って「P1」地点だと気が付くのが遅れ、ちょっとのんびりしてしまったためにちょうど連絡船に乗れず、15分のロス・・・。
今回のトレッキングでは、所要5~6時間のコースを、雨の中、子連れで5時間以内の制覇が求めらています。
そんな中、無駄な時間は1分もありません。
さっき、ハンバーガーを予定していた昼食を、「雨の中立ちながら食べるカロリーメイト」に切り替え、時間ロスを取り戻したばかり。
それなのに、また簡単に15分ロス・・・。
パパ:(着いたこの場所が「P2」地点かどうか、どうして念のため確認しなかったのか・・・。ガイドブックやホームページの情報を鵜呑みにしちゃいけないことくらい、これまでの旅の経験で身に染みてわかっていたはずなのに・・・。)
パパは、時間をロスできない中でこんなことが重なり、珍しくイライラしていました。
最終選択
さて、ここで、決めなくてはなりません。
船で対岸に渡ってしまえば、もう所要5~6時間のKコースを最後まで行くしかありません。
現在午後1時過ぎ。
湖を渡れば1時30分です。
一方、ここからなら、1時間程度でエントランス1に戻ることができます。
少々時間をロスしたけど、このまま行くか、ここで戻るか・・・。
パパ:もうすぐ1時30分。タイムリミットまであと2時間半。ここからなら、戻って夕方までレストランでゆっくりすることも可能だけれど・・・。
私:残る徒歩区間は5km。私たちの足でゆっくりいっても、2時間あれば大丈夫。子どもたちも今後もきっと大丈夫だよ!
パパ:そっか・・・。そうだよね。晴れる可能性だってあるのだし。2時間で歩いて、30分でトロリーバスで、2時間半で行けるよね・・・。よし、行くか!
もちろん、これは不測の事態がない場合の話です。
道に迷ったり(そのうえスマホも圏外とか)、誰かが怪我するとか、雨で木道が途中で通行止めになるとか、子どもが動かなくなってしまうとか、何かあればたちまちピンチに陥るでしょう。
だけれど、そんな可能性まで考えていったら、そもそもこんなトレッキングなどできません。
こうして夫婦で意思確認をし、再び船乗り場へ向かいました。
【13:25】「P2」行き渡し舟出発。
【13:30】所要5分。あっという間に対岸「P2」地点に到着しました。
トレッキング後半戦
【13:30】P2地点から、トレッキング後半戦に出発!
Kコースを示す立て看板も無事確認しました。
「後半戦」と言っても、前半3km、後半5kmのKコースですので、「ここからが本番」みたいな感じです。
ここから、これまで回ってきた、観光客が多くヴェリキ滝などの見どころも多い「下湖群」でなく、落ち着いた雰囲気の風光明媚なコース、南半分の「上湖群」を回っていきます。
こちらの上湖群は、木道がない部分が大半。これまで降り続いた雨の影響で土の道に水たまりができ、通行困難な場所も。
靴はとっくに泥だらけ。
ズボンも、跳ねた泥で汚れています。
しょうがない、ホテルで洗うしかありません・・・。
まさかのフラッシュバック
【14:00】船を降りて1㎞ほど来たあたりで、水たまりのできた道を歩いていると、次女の様子が何だかおかしくなってきました。
次女:わぁぁっ!
次女:わぁっ!
何もない水たまりの道で、驚いた声を上げ始めた。
私:どうしたの??
次女:ヒルがいる!!!
パパ:ええっ!!!
まさか、昨年の西表島事件の再来か!
次女は泣き出してしまいました。
パパがあわてて次女の靴を確認すると、靴に茶色い泥がついたものでした
パパ:大丈夫だよ、これはヒルじゃないよ。ヒルは暑い所にいる生き物だから、クロアチアにはいないよ(適当に言っています)。
次女:(うぇ~ん!!)
あちゃぁ・・・。。
例え見たものがヒルじゃなかったとしても、昨年の辛い記憶がよみがえり、雨の中歩き続ける現在の過酷な状況もあいまって、いったん泣き出したものはなかなか止まりません。
次女:(わ~ん、わ~ん・・・)
次女は、泣きながらも自分で歩いてくれました。
ここまで順調に来たけれど、ヒル事件のフラッシュバックとは。
そう来たか神様・・・。
神様は、あれやこれやの方法で、常に私たちに試練を与えてくださるのです。
雨の中、泣きながら15分ほど歩きましたが、次女はまだ落ち着きません。
また、様子がおかしいです。
次女:(傘を振り回して)ああっ! ああっ!
パパ:次女、どうした!!
次女:傘に虫が付いて離れない・・・。
パパ:ええっ、どれどれ・・・(次女の傘を確認)。これ、木の葉っぱだから大丈夫だよ!
次女:・・・ほんと(グスン)?
パパ:本当だよ。ほら・・・(傘に引っ付いていた小さな葉っぱを見せる)。
次女:うわ~ん・・・。
もう、次女、靴に付いたものや傘に付いたものが、全部虫に見えてるんでしょうね・・・。
しかも、濡れているから、ちょっと揺さぶったくらいでは取れないんです。
長女:次女が泣いてると、私までテンション下がって来る・・・。
そうだよね・・・。こういうのって、連鎖するんだよね・・・。
雨も降っているし、途中でふざけたり写真撮影したりすることもなく、黙々と歩きます。
止まない雨は・・・ある
【14:30】次女が泣きながら歩いて30分以上経過。
ようやく涙は落ち着いてきました。
それにしても、この雨、ずっと止みません。
止まない雨はない・・・と思って出発したけれど、甘かったか・・・(^^;
「K コース」の看板を頼りに進みます。
途中の景色はすごく奇麗で、これが晴れていたら・・・と悔しく思わずにはいられません。
もう少し歩いた先にはトロリーバスのバス停「ST3」があり、そこから20分~30分おきに、エントランスに向かうバスが運行しているようです。
時間ロスなし!
【15:15】無事、トロリーバス乗り場「ST3」に到着!
船着き場「P2」地点からここまでの約4kmで、私たちがかかった時間は1時間45分でした。
すると、何と、お客さんを乗せたトロリーバスが、今にも出発しようとしている所でした!
トロリーバスの行き先はシンプルなので、迷うことはありません。
乗りま~す!
私たちが乗り込むと、ほどなくトロリーバスは出発。
確か3両編成くらいの、列車のようなバスだったと思います。
バスの中は当然ですが雨も当たらないし、ほっと一息。
良かった~~。ここでの時間ロスはなかった・・・。
これだと思惑通り、午後4時までにレストランに入れるかも・・・。
バスは、ゆっくりとぐねぐねの山道を進みます。
【15:30】10分ほどで、途中エントランス2最寄りの「ST2」駅を経由し、終着駅「ST1」駅に到着しました。
ここからエントランス1までは、まだ徒歩で20分のコースが残っています。
最後のひと歩き
最後の行程(所要20分)は、道が割と広くて歩きやすくなっていました。
残念ながらここまで全く晴れ間はなく、この段階では一段階強い降り。
この日は本当にツイていませんでした(^^;
【15:50】無事、エントランス1に戻って来ました!
夕食を摂るレストランはこのすぐ近くです。
この雨の中、子連れで所要5~6時間のKコースに挑戦し、みごと5時間以内に戻って来ました!
良かった・・・。
子どもたち、よくやったよ・・・。
わ~んわんわん(´;ω;`)ウッ…・・・。
大体、帰りのバス(ザグレブ行きのバス)だって、当初は午後6時30分発のバスチケットを日本で購入済みだったのに4日前に急に運休になって、モンテネグロのホテルで深夜、残席6席だった午後5時50分発のバスのチケットを必死に4枚確保したのでした。
あれもこれも、奇跡的だよ・・・。
神様、今日の試練はこの辺にしておいてください・・・。
とにかく時間どおりに戻ってこれましたので、これからレストランで1時間半程度ゆっくりした後、ザグレブ行きのバスの乗車に備えられます。
本当にホッとしました。
事故って、ホッとした時にこそ、起きるんですよね。
次回に続きます。
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