プラハ中央駅へ急げ! いざ、ドレスデンへ。(2019.9 子連れチェコ・ドイツ旅 #16)

プラハ中央駅(プラハ本駅)で、ドレスデン行きの特急列車のホームに移動する途中の一コマ。

【これまでの旅程】
1日目:台風直撃予報の中、成田から上海経由でチェコのプラハへ

2日目(今日):朝、プラハ国際空港着。シャトルバスの中の重大危機を運良く回避し、プラハ中央駅の荷物預かり所に荷物を預けてプラハ市内観光に出発。

火薬塔に登って「王の道」を歩き、旧市街広場のチェコ料理店「ミンコブナ」でランチ。プラハ天文時計、プラハ市役所、カレル橋を観光し、「トリカフェ」でケーキを食べました。

【16:35】プラハ、カレル橋の近くのカフェ、「トリカフェ」を出た私たち。

私たちはこの時点で、それなりの危機的状況にありました。

予定では、このお店を出るのは午後4時15分だったのに、20分遅れで推移。来た時は徒歩中心でしたが、来た道とは別ルートでトラムを乗り継いで街の景色を楽しみ、とある地下鉄駅から地下鉄でプラハ中央駅に戻るというルートを作成していました。しかし、そのルートで行くと順調にいっても最低1時間みなくてはなりません。

今この時点で、特急列車の発車まで約2時間。スーツケースの受け取り、スーツケース2つを抱えての初めてのプラハ中央駅利用を考えれば、どんなに遅くとも30分前、できれば1時間前に駅に着いていたいところ。1時間前に着くのを目指すのなら、あと1時間を切っています。

万一トラムの乗り間違えなどしようものならあっという間に危機的状況に陥ります。

急に不安になってきました。

外に出ると、雨が降ってきていました。

この状況で、最低1時間はかかる当初のプランを敢行するか、ショートカットプランに切り替えるか。

しかし、ショートカットプランは、研究不足でガイドブックの情報くらいしかなく、雨の中、うまくいくのかそれも不安です。

私たちが選択したのは、「当初のプランの敢行」でした。

【チェコ・ドイツ旅:2日目その11】

まずは目指すトラム駅「カルロヴィ・ラーズニィ(Karlovy lazne)駅」へ

ここからプラハ駅へ向かう、当初のプランをなぞります。

まず、ここから徒歩3分、ヴルタヴァ川沿いのトラム駅「カルロヴィ・ラーズニィ(Karlovy lazne)駅」からトラム1か2か18に乗車、3駅目の「ナーロドニートゥシーダ(Narodni tfida)」で下車。そこで22番か23番のトラムに乗り換え。数駅向こうの「I.P.Palova」駅で下車、地下鉄に乗り換え。地下鉄C線で2駅、プラハ中央駅で下車。

以上を1時間でできるんじゃないか、ということです。

初めて歩く街、何か1つでもうまくいかないと一気に不可能になりますが(^^;

切符は、今朝、90分券をプラハの空港で購入済みです。

雨が降っているし時間もないので、長女はベビーカーに乗せて雨用のシートをかぶせます。

【16:40】5分ほどで、川沿いのトラム駅に到着。狙うトラム、1番か2番か18番を待ちます。

ところが、17番はたくさんくるのに、この3種類はあまり来ません。

刻印機はどこだ

さて、この駅には、切符の刻印機が見当たりません。

トラムで使える切符は持っているものの、チェコでは、乗る前に刻印機に通して、時刻を切符に打刻しないと、切符を持っていないことと同じになり、取り締まりの対象になります。

刻印機が駅にない場合、トラムやバスでは車内で打刻ができるとの情報。よし、車内での打刻にチャレンジします。

【16:50】待つこと10分。ようやく18番のトラムが来着。乗り込みます。

まず私が乗り込み、ベビーカーを2人がかりで車内に上げます。

そして、刻印機、刻印機・・・。あ、ありました! この黄色い機械だ!

でも、どこに入れればいいんだろう。

もうトラムは再び走り出しています。

パパが、刻印機の上から切符を入れようと焦っていると、チェコ人の女性が、ここから入れるのよ、という感じで機械の下の方の穴を指さして教えてくれました。

あ、ここに入れるのね!

ガチャ、と音がし、時刻が刻印されました。

急いで、大人用2枚、子ども用1枚の切符を打刻します。

こうやってトラムに乗るんですね(^^)/

ほっとするのもつかの間。私たちには、時間がないのです。

トラムの乗り継ぎは短時間でうまくいくのか・・・。

プラン変更を決断

特急列車の発車は午後6時32分。午後5時30分にはプラハ中央駅に着きたいので、あと40分しかありません。

トラムに乗ったものの、この先で予定している「トラムの乗り換え」が急に心配になり出しました。

今の駅で18番のトラムを待つだけでも、10分も待った・・・。時間はあと40分。この先の「トラム同士の乗り換え」がうまくいかずに30分もかかってしまえばもうおしまいです。

不安にかられたパパが決断します。

パパ:次の駅で降りるぞ!

計画していた遠回りのルートを放棄し、ショートカットルートに変更するのです。

パパの指令によりトラム駅2駅で降り、雨の中、反対方向のトラムを待ちます。

従来プランは南周りですが、ショートカットプランは北回り。どちらもトラムに乗って地下鉄の駅を目指すのは同じですが、目指す駅が違うのです。

反対方向の1番、2番、18番を待ちますが、なかなか来ません。

そこに、2番のトラムがやってきました。待ってました!

ベビーカーと一緒に乗り込もうとする私たちは愕然としました。このトラムは旧型で、入口は狭くて階段数段。ベビーカーの乗り込みを想定していない車両だったのです。

子どもが歩いていて、ベビーカーを畳めれば乗れましたが・・・。長女がベビーカーで寝ているこの状況では、この車両には乗れませんでした。

【17:00】もう、時間がないのに、新型のトラムだけを待つなんて余裕はありません。近くの川沿いの線ではしょっちゅう新型車両の17番のトラム(地下鉄駅を通る路線)が走っています。

パパ:よし、歩いて川沿いの駅まで行って、17番のトラムを捕まえよう!

雨が降っています。

ここでずっと来るか来ないかわからない、しかも新型車両かどうかわからない1、2、18番を待つより、17番のトラムが走っている川沿いの駅まで徒歩移動してトラムに乗るということです。

雨の中、200mほど傘を差さずに小走りで移動し、川沿いのトラム駅「Narodni divadi」へ。するとまもなく、川沿いを北方向へ向かう(=地下鉄駅へ向かう)17番の新型車両トラムが! ベビーカーと共に乗り込みます。

【17:10】トラムに乗車。雨の中、北の方向に進みます。

【17:15】 地下鉄駅に接続する「スタロムニェストスカー(Staromestska)駅」下車。

地下鉄の駅が見当たらない!!

さぁ、地下鉄に乗らないと・・・と思いますが、今度は、地下鉄の駅の入口がわかりません

地下鉄の駅「スタロムニェストスカー(Staromestska)駅」はどこなんだ?

焦って通行人の人に聞くと、あそこだよ、と指をさして教えてくれました。

見ると、超小さい看板に、超さり気ない入口。地下へと階段が続いています。

もっとわかりやすいでしょう普通(日本では)! 地下鉄の駅の入口って!

急げ~~! とにかく時間がない! 午後5時30分までにプラハ中央駅に着きたいのに、もう午後5時20分!

長女が乗ったベビーカーを押して、4歳の次女を抱っこ紐で抱っこしながら向かう私たちに、厳しい現実が突き付けられます。

地下鉄駅にエレベーターがない

あれ? 地下鉄の駅はあったものの、エレベーターがない! 長い階段があるだけです。

ここスタロムニェストスカー駅はカレル橋に最も近い駅で、観光客も多く利用する駅です。こんな利用客の多い観光地ど真ん中の駅に、エレベーターがないなんて・・・。

今時そんな馬鹿な・・・・。

地下鉄だから複数入口があるだろうと思い、周囲の別の入口をパパがダッシュで探索するも、皆どこも階段ばかりだとのこと。

もう、ここは腹をくくるしかない!

小学2年生の長女をベビーカーから出してパパがおんぶ。地下鉄駅の長い階段を下ります。

私は次女を抱っこしながらベビーカーをかつぎます

よいしょ、よいしょ。

ようやく、地下鉄駅のホームにたどり着きました。

次のミッションは、地下鉄の乗り継ぎ

プラハの地下鉄に乗るのも初めてです。

しかも、プラハ中央駅へ行くには、途中の「ムゼウム駅」での乗り換えが必要です。ムゼウム駅、そしてプラハ中央駅の接続駅には、エレベーターがあるといいんですが・・・(^^;

とにかく、まもなくドレスデン行きの特急列車の発車時刻。時間がないんです!

【17:25】地下鉄駅のホームで。

プラハで地下鉄に乗るのは初めてですが、時間が押している中、万一反対方向の地下鉄に乗ってしまっては致命傷になりかねません。

ですが、このルートをたどる予定ではなかった私たち。終点駅などの記憶はしていません。ひらすらガイドブックとにらめっこし、絶対に間違わない列車に乗るだけです。

途中、ムゼウム駅で地下鉄A線から地下鉄C線に乗り換えましたが、乗り換えの時にエレベーターがあったかなど、詳細についてはもはや必死中の必死で覚えていません

エレベーターがあれば利用し、目の前が階段だったら寝ている長女をパパがおんぶしベビーカーは私がかついで、乗り換えホームへ一直線。

確か、途中まではエレベーターがあって、途中からは階段のみという、これまた笑ってしまう状況だったような気がします。

途中から、長女を起こしたら起きて階段を自分で歩いてくれたので助かりました。

とにかく必死にプラハ中央駅に向かっていました。

ムゼウム駅で地下鉄C線に乗り換えします。列車が結構混んでいて、これもまたピンチでした。

【17:40】順調にプラハ中央駅接続地下鉄駅「フラヴニ―・ナードラジー駅」着。地下鉄の乗り継ぎがスムースに行き、思ったより順調に着くことができました。良かった~~~。

まずは、荷物預かり所で預けてあるスーツケースを受け取らなくては。どこだったっけ?

【17:50】荷物預かり所で荷物ゲットに成功。混んでいたらピンチでしたが、ラッキーにも空いていてすぐ受け付けしてくれました。

「フラヴニ―・ナードラジー駅」着!
途中で少し歩いてくれた長女はまたベビーカーへ逆戻り。一方、次女が目を覚ましました。
もう外へは出ないので、ベビーカーをくるんでいたレインシートを収納して、出発です。
荷物預かり所、どこだったっけな~~。地下鉄駅方向からのアプローチは初めてなもので・・・。

発車の瞬間まで油断は禁物

【18:00】さて、発車まであと30分。案内板でホームを確認すると、まだ出発ホームは未発表。空欄のままです。

ホームが発表になるまでしばしベンチに座って待ちます。その時にベンチで撮影したのが、この記事冒頭の写真です。

夕食に、プラハ中央駅のお店でパンなどを買って車内で食べる計画でしたが、スーツケースもあって身動きとりずらいし、やめることに。

特急列車には食堂車か売店があるらしい(多分)ので、そこで夕食を摂ります。車内になければ、夕食は日本から持ってきたカロリーメイトです(^^;。

【18:15】出発の約17分前、ようやくホームが電光掲示板に表示されました。

出発ホームは6番線のようです。

次女はクレメンティヌムから続く長い眠りからすっかり目を覚ましましたので、スメタナ博物館以来、ようやく抱っこ紐から降ろします。ふ~~っ、重かった(^^;

午後6時32分発のライプチヒ行き「EC258号」に乗車します。

スーツケース2つを押し、ベビーカーを押して、6番ホームに向かいます。

6番ホームへ向かっています。

うっ・・・・・

【18:22】ホームの入口に着いたのは発車10分前のことでした。午後6時32分発です。

間に合って良かった・・・意外と順調だったな・・と思ったのもつかの間。

目の前に現れたのは、右はホームに向かう広い階段。

左は、ホームに向かうであろう、長さ50mはあろうかという長い長いスロープ(上り坂)

あれ? エレベーターは???

繰り返しますが、私たちは重いスーツケース2つに、長女が寝ているベビーカーを押して歩いているという状況です。

おい! ここで、50メートルの巨大スロープかよ!!!

長いスロープを上ってホームに上がり、時計を見ると、発車5分前

目の前に、特急列車の最後尾の車両がありました。

よし! 間に合った! 

ここで写真撮影(神様の声「写真撮ってないで、すぐ乗り込まんかい"(-“"-)"」)

発車5分前。ドレスデンへ向かうライプチヒ行き特急列車の最後尾で。

私たちの予約したクラスは2等車。この車両は2等車なのかしら? 外からパッと見ても、1等とか2等とかの表示はないようでした。

パパ:これが2等車かどうかわからないから、もうあと2両くらい奥の車両に乗ろう!

私:何言ってるの、あと3分よ! 動き出したらおしまいよ! 取り敢えずこの車両に乗るわよ!

最後尾の車両に、長女の乗ったベビーカーとスーツケース2つをエイヤと入れ込み、乗り込んで1分。定刻通りにドアが閉まり、列車は走り出しました。

いや~~~、余裕はあったはずなのに、結構ギリギリ。なかなか一筋縄ではいきません(^^;

2年前のイタリア旅行の時も、アグリジェントからパレルモに向かう列車に発車ギリギリに飛び乗ったことがありましたが、その時よりはましだったか・・・。そういやあの旅行の時は、ローマからナポリまでの特急列車もギリギリで飛び乗ったんだったな・・・。そんなことばかりです(^^;。

しかし、あの長~~~いスロープ・・・(^^;

何はともあれ、ドレスデン(ドイツ)まで、2時間と少しのヨーロッパ鉄道の旅の始まりです。

優雅な旅のはずですが・・・、何とか特急列車に乗り込んでゼエゼエいっている私たちに、次の試練が待ち受けていました。

次回に続きます。