スメタナ博物館名物、激怒おばちゃん学芸員(2019.9 子連れチェコ・ドイツ旅 #14)

【これまでの旅程】
1日目:台風直撃予報の中、成田から上海経由でチェコのプラハへ

2日目(今日):朝、プラハ国際空港着。シャトルバスの中の重大危機を運良く回避し、プラハ中央駅の荷物預かり所に荷物を預けてプラハ市内観光に出発。

火薬塔に登って「王の道」を歩き、旧市街広場のチェコ料理店「ミンコブナ」でランチ。プラハ天文時計、プラハ市役所、カレル橋を観光しました。

【15:00】カレル橋を、旧市街側に戻ってきた私たち。徒歩3分のヴルタヴァ川(モルダウ川)沿いにある、スメタナ博物館(Smetanovo muzeum)へ向かいます。

【チェコ・ドイツ旅:2日目その9】

スメタナってどんな人?

スメタナは、19世紀に活躍したチェコの作曲家、ベドジフ・スメタナ。日本では、「モルダウの流れ(正式名称:「我が祖国」の第2番、モルダウ)」がよく知られていると思います。

帰国後に知りましたが、スメタナは晩年、病気で聴力を失ってしまい、ほぼ聞こえない中でこの曲を作曲。その後も、耳が聞こえない状態で、数々の名曲を書いたようです。

日本にもニセ作曲家でそんなのがいましたが、世界には本当の「耳が聞こえない作曲家」がいたんですね。

スメタナは、一時期、実際にこの建物に住んでいたことがあったようです。

クレメンティヌムに入場しなかった時間を生かして、こちらの博物館を訪問します。

ヴルタヴァ川(モルダウ川)河畔を歩く

クレメンティヌムを出た後から、子どもたちは2人ともぐっすりです。長女をベビーカーで、次女を抱っこ紐で運んでいます。

川沿いを歩いて博物館のあるだろう方向に向かいます。川沿いに素敵なオープンカフェが並んでいます。

今日は9月9日。でも外は肌寒く、カフェではストーブがたかれていました。風が冷たくて肌寒いです。ストーブに当たりながらの熱いコーヒーもいいですね!

歩いた先が、ヴルタヴァ川の河畔です。カフェが並んでいます。
カフェのテラス席には、席ごとに円筒形のストーブが置かれ、あたたか。

スメタナ博物館に入館

【15:10】カレル橋から徒歩5分ほど。スメタナ博物館を発見!

扉を開けると、カウンターにおじさんが。ここでチケットを買い、階段で2階に上るようです。ベビーカーを押していた私たちを見て、おじさんが、ベビーカーはここに置くように、と言って一角を指さします。

エレベーターはないようです。

ベビーカーを持って2階にあがり、長女をベビーカーで寝せておくか。それとも2階の様子はわからないけれどとりあえず長女を抱っこして2階にあがるか。私たちは後者を選択しました。

入場料は1人50コルナ(240円)。なんですが、ファミリー割引などがあるのか、家族4人で90コルナでいいとのこと。ラッキ~(^^)/

ベビーカーはカウンターの所に置いて、パパが重たい長女を抱っこして階段を上ります。

博物館入口。小さいです。

2階の展示フロアへ

2階に上ると、おばさん職員がお出迎え。チケットをチェックし、上着とバッグは持ち込み禁止。バッグもハンガーにかけるように指示されます。展示物を金具などで傷つける可能性があるからでしょうか。

そして、2階カウンターにはいろんな言語のパンフレットがずらり。冗談のつもりで「日本語のものはありますか?」と聞くと、おばさんはにっこり笑って日本語のパンフレットを出してくれました。

ワォ! 日本語のもあるのね! びっくりしました(^^)/

展示フロアを見わたすと、お客さんは私たちだけ。10人ほどが座れるフカフカの椅子があり、子どもたちをそこに寝せてもいいよと言ってくれましたので、お言葉に甘えてベッド代わりに使わせてもらいます。

昼食のレストラン「ミンコブナ」からここまでずっと次女を抱っこしてきましたので、久々に降ろせて楽になりました。ふ~~~っ、重かった! 寝かせてもらえて助かりました(^^)/。

ふ~~っ、抱っこ紐から次女を降ろして一息。

スメタナが使っていたピアノやオルガンが展示されています。あとは半生の紹介などです。パネルはチェコ語と英語なので読めませんが、そこは日本語のパンフを読んで理解。

お客さんは私たちだけなので、ほっと一息。休憩としてもいい時間です。

アパートメントの2階フロアが博物館の展示フロアです。ここだけの、小さな博物館です。

ユニークな展示コーナー

展示物を見ていると、「う~~ん」と言って長女が目を覚ましました。おっ! 起きたね! 「ここどこ?」と言うので、「博物館の中だよ」と教えます。

長女と手をつないで館内を見学します。

フロアの奥半分に、指揮台のようなものと、それを取り囲むオブジェが並んでいます。

これは何だろう?

指揮台に書いてある説明を読むと、指揮棒でオブジェを指すと、そのオブジェに書いてあるスメタナの曲が流れる、というもののようです。

指揮棒を見ても、スイッチはなし。本当にこの木の棒で指し示すだけで、曲が流れるのでしょうか。

パパがやってみますが、できません。

次に私がやってみます。あるオブジェを指揮棒で指すこと3秒。館内に、曲が流れ始めました!

すごい! どういうシステムなんだろう?

オブジェ間の距離は1m程度。手前と奥とにあるため、指し示す場所がピンポイントで合ってないと、特定のオブジェを指し示すことができません。そのわずかの角度の違いを区分できるシステムなんですね。

次にパパが再びやってみます。

すると。。。やった! できた! 3秒以上じっと指し示せばいいんですね。

長女も「私もやってみたい!」と言います。そりゃそうですよね。

オーケストラの指揮者のような感覚で、演奏を指示できます。

妖怪「激怒おばさん」登場

パパが長女と一緒に指揮台に上り、長女に指揮棒を持たせて、「どれ(どの曲)がいい??」と聞きます。

長女が適当に「あれ!」と言い、あるオブジェを指揮棒で指した瞬間、それは登場しました。

さっきまでやさしかったおばさん職員が、怒り声をあげてパパと長女に詰め寄ったのです。

その剣幕たるや、まるで何か展示物を壊されたかのようです。

激怒おばさん「ノー!ノ―!それはおもちゃじゃないのよ!(It is not a toy!)」

パパ「すみません、わかっていますよ。すみません(ん? 何か怒っているけど、何か悪い使い方をしたのかな?)。」

激怒おばさん「指揮棒は丁寧に扱ってください! 振り回してはいけません!」

パパ「(別に振り回していないけれど・・・)わかりました。気を付けます。」

激怒おばさん「よろしくお願いしますね! 全く!」

パパ「・・・・・。」

女性職員のあまりの剣幕に、パパは面食らい、長女はビクビク。「もういい・・・」と言って指揮台を降ります。

でもパパはめげません。せっかく来たのだからと、パパが指し示してもう一曲聞きます。

恐らく、指揮棒を激しく振り回す観光客がいて、指揮棒(見た目には木の棒に見えますが、中に指向性の強い電波を出す機械が入っているのだと思います)の中の機械が壊れたことがあり、神経質な対応になっているのではないでしょうか。

その後、怖がる長女に「じゃ、今度はママと一緒にやってみよう」と言い、私と長女でやってみることにしました。

例の激怒おばさんがいるので、指揮棒をやさしくやさしく扱います。

気を取り直して、今度は私と長女で挑戦! 長女はびくびく。すると・・・。

ところが、私と長女が指揮台に上がるのを見たおばさん。ツカツカツカと寄ってきて、ものすごい怖い表情で私たちをにらみつけ、監視します。

子ども禁止とは書いていないし、指揮棒を乱暴に扱っているわけじゃないのだから、そんな顔でにらみつけなくてもいいのに・・・。

長女はドン引き。「もういい・・・」となっていますが、パパじゃないですがここで引き下がるのは何か悔しいです。ママと一緒にやろう! と言って、私と長女の2人でやってみます。

ものすごい顔で私たちを睨みつける激怒おばさん。長女はドン引きです。

あきらめずにやっていると、違うお客さんが来たので、激怒おばさんはそちらの対応のためにカウンターの方に下がりました。おばさんがいなくなって良かった~~(^^)/。長女と2人で、3曲ほど、スメタナの音楽を楽しみました。

それにしても、一番近くのオブジェで流れた「モルダウの流れ」以外の曲は、わからない曲ばっかりだったなぁ。

激怒おばさんから解放され、面白いシステムを楽しむ私たち。
次はあの曲にしよう!
帰る前、最後にもう一曲。
おばさんが怖かったよ~~~。終わった後も半泣きの長女。

激怒おばさんの正体

十分に楽しんだので、そろそろ博物館を後にします。

博物館の女性職員、激怒するのは行き過ぎとしても、最初の私たちの指揮棒の取り扱いに少しでも何か悪い点があったのだろう、と思っていました。

ところが。

私たちの後に入ってきたのは上品そうな西洋人のご夫婦。年のころ50代くらいでしょうか。

私が指揮台から降りるのとほぼ入れ違いで、ご主人が指揮台に上りました。

私がやっている様子を見ていたのでしょう。やり方はもうわかっているようです。

まずは、指揮棒を持って指揮者のようなポーズをして構え満面の笑み。奥さんが、そんな楽しそうなご主人の様子を写真撮影。何と微笑ましい光景でしょうか。どこにでもある、博物館での観光客のふるまいです。

それを見た激怒おばさん、今度は、そのご夫婦連れにも、私達の時と同じように「ノー!ノー!」と連呼して詰め寄ったのです!

何も悪いことをしていないご主人は当惑した表情。決してふざけたりしません、みたいな会話をしています。

そして激怒おばさんはまた「よろしくお願いしますね!」と。

他にも1人、男性の職員がいるんですが、激怒おばさんが何をしても知らない態度。毎日、何十回と続いている光景なのでしょう。

私たちは確信しました。あのおばさん、観光客を怒りつけることを生きがいにしている、困ったちゃんなのです。

別に私たちが悪いことをしたわけではないことを確認できましたので、すっきりして博物館を出ることができました(^^)/

次女はずっとぐっすりですので、また抱っこ紐に入れて抱っこです。

うっ、重っ・・・。

【16:00】1階の受付でベビーカーをゲットして、スメタナ博物館を出ます。

外にでるやいなや、長女は再びベビーカーへ。歩いてもらいたいんですが・・・(^^;。小雨がぱらつきましたので、ベビーカーに雨用のシートをかけて出発です。シートをかけると暖かく、保温効果もあります。

この後は、近くにある、地元で評判のカフェに向かいます。

るるぶや地球の歩き方には出ていませんが、偶然グーグルマップで発見したんですよね。地元の人の採点で、5点満点中4.7点という超高得点評価のカフェです。

有名な大きな店舗でなく、路地裏にある、小さいカフェのようです。

ただ、路地裏にあるので、うまく見つけられるといいんですけど(^^;

超高得点評価納得の次回に続きます。